労働安全コンサルタント試験 2018年 産業安全一般 問11

安全教育の手法等




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合格

 このページは、2018年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2018年度(平成30年度) 問11 難易度 教育手法等に関するごく基本的な知識問題。出題意図がつかみ難いが確実に正答しなければならない。
安全教育の手法等

問11 安全教育に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)OFF-JTは、新規採用者の教育など共通的なテーマについて実施するものには適しているが、特別教育など特定のテーマについて実施するものには適さない。

(2)自動車などの運転を行う労働者に対し、運転者の安全な運転を確保するため、交通法規、運転時の注意事項などの運転者が遵守すべき事項のほか、労働時間の改善基準、睡眠時間の確保、飲酒運転の影響などについての教育を行うことが必要である。

(3)外国人労働者に対しては、使用させる機械設備の使用方法などに係る安全衛生教育のみならず、労働災害防止のための指示などを理解することができるようにするために、現場で使用される基本的な日本語及び合図などの教育を実施することが必要である。

(4)講義方式による教育では、一度に多くの人に知識を付与できるが、受講者の理解度にバラツキが出る可能性があることから、受講者の仕事の範囲や経験などの情報を事前に把握しておき、講義を行うことが有効である。

(5)討議方式による教育では、時間がかかるが、受講者間で知識や経験などの意見交換を行い、受講者共通の理解が得られることなど、教育的効果が大きい。

正答(1)

【解説】

コンサルタント試験の安全教育に関する設問は、どのような知識を試したいのか理解に苦しむ問題が多いが、これもそのひとつである。あまりにも当たり前すぎて迷うのである。

(1)適切ではない。OFF-JTとは、職場を離れて行う集合教育などのことである。安衛法に定める特別の教育は、学科と実技それぞれについて教育内容と実施時間が定められている。OFF-JTで行わなければならない。

(2)適切である。厚生労働省の「交通労働災害防止のためのガイドライン」の第4の1は「教育等の実施」となっており、そこには本肢に記載されていることが述べられている。

(3)適切である。厚生労働省の「安全衛生教育等推進要綱」には外国人労働者に対する教育として「外国人労働者が労働災害防止のための指示等を理解することができるように必要な日本語や基本的な合図等、事業場内における労働災害防止に関する標識、掲示等についても習得させるように配慮する」とされている。

(4)適切である。本肢は当然のことを言っている。不適切と考える要素が含まれていない。

(5)適切である。本肢も、適切とか不適切とか言い得るようなことではない。確かに、討議方式は時間がかかるが、適切な条件が整えば、「受講者間で知識や経験などの意見交換を行い、受講者共通の理解が得られる」ことはあり得る。不適切だとまでは言えないであろう。

2018年10月27日執筆 2020年02月09日修正