労働安全コンサルタント試験 2017年 産業安全一般 問14

単純梁のたわみ




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 このページは、2017年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2017年度(平成29年度) 問14 難易度 単純梁のたわみに関する計算問題。例年出題される。確実に正答できるようにしておく必要がある。
単純梁のたわみ

問14 図1のように均質で長さ方向に一様な断面を有する長さLの単純梁が、梁の中央に力Pを受けるときに梁に生じる曲げたわみについて、梁の材質が同じで、断面形状・寸法が2に示す2種類AとBの場合の最大たわみをそれぞれδA、δBとするとき、その比(δA/δB)は、(1)~(5)のうちどれか。

ただし、梁のたわみは梁の中央で最大となり、梁の自重を無視するときの最大たわみδは、次式で表されるものとする。

δ= PL     E:梁材の縦弾性係数
48EI     I:梁断面の中立軸に関する断面二次モーメント
単純梁

図1 単純梁

梁の断面形状・寸法

図2 梁の断面形状・寸法

(1)1/3

(2)1/6

(3)1/9

(4)1/12

(5)1/15

正答(3)

【解説】

δ=PL/48EI

であり、断面Aの梁でも断面Bの梁でもP、L、Eは同じであるから、結局のところδの比は、1/Iだけの比になる

一方、断面が長方形の梁の幅をb、高さをhとすると、

I=bh/12

である(これは覚えておく必要があるが、長方形の場合は、梁の断面係数(Z)がbh/6となり、Zにh/2を乗ずればIになると覚えておいてもよい)から、

断面Aの場合   I=a×(3a)/12=27a/12

断面Bの場合   I=3a×a/12=3a/12

なので、δの比は1:9となる。

従って正答は(3)になる。

2018年10月27日執筆 2020年04月05日修正