労働安全コンサルタント試験 2016年 産業安全一般 問20

混触危険性が高まる物質の組合せ




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合格

 このページは、2016年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2016年度(平成28年度) 問20 難易度 混触危険性が高まる物質の組合せを問う知識問題。確実な合格のためには正答しておきたい。
混触危険性が高まる物質

問20 同一の薬品庫で軽油と近接して貯蔵する場合に混触危険性が高まる物質は、次のうちどれか。

(1)過マンガン酸カリウム

(2)ジニトロベンゼン

(3)固形アルコール

(4)マグネシウム粉

(5)エチルエーテル

正答(1)

【解説】

職場のあんぜんサイトの「軽油」のモデルSDSの10.安定性及び反応性の項には「塩素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、過酸化水素、硝酸アンモニウム等と混触すると発火する危険がある」とされている。すなわち軽油は可燃性のものであるから酸化剤と混触すると発火するおそれがあるのである。

従って、選択肢の中から酸化剤を選べば正答となる。

(1)高まる。過マンガン酸カリウムのモデルSDSには「強力な酸化剤で、可燃性物質や還元性物質と反応して火炎および爆発の危険をもたらす」とある。従って、本肢が正答となる。

(2)高まらない。ジニトロベンゼンのモデルSDSには「金属粉末、強酸化剤、強塩基、還元剤と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす」とある。灯油はこれらのいずれにも該当しない。

(3)高まらない。固形アルコールは可燃物であって酸化剤ではない。

(4)高まらない。マグネシウム粉のモデルSDSには「強酸化剤と激しく反応する」「多くの物質と激しく反応し、火災や爆発の危険をもたらす」「酸、水と反応し、引火性の水素ガスを生成し、火災や爆発の危険をもたらす」とある。基本的に可燃物であって酸化剤ではない。

(5)高まらない。エチルエーテルのモデルSDSには「強酸化剤と反応し、火災や爆発の危険性をもたらす」とある。基本的に可燃物であって酸化剤ではない。

2018年10月27日執筆 2020年04月29日修正