労働安全コンサルタント試験 2016年 産業安全一般 問06

信頼性ブロック線図




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合格

 このページは、2016年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2016年度(平成28年度) 問06 難易度 信頼性ブロック線図は必ず出題される。基本的な事項を覚えておけば得点可能。落としてはならない。
信頼性ブロック線図

問6 システムが要素a、b及びcによって下図に示す信頼性ブロック線図の構造(イ)及び構造(ロ)のように構成され、要素a、b及びcが等しい信頼度Rをもつとき、システムの信頼度RS を示す等式のうち、適切なものは(1)~(5)のうちどれか。ただし、1> R >0、また、要素の故障は独立に起こるものとする。

直列・並列系 並列系
構造(イ) 構造(ロ)

(1)構造(イ)では、RS = 2 R2 + R3

(2)構造(イ)では、RS = 2 R2 - R3

(3)構造(ロ)では、RS = 2 R2 + R4

(4)構造(ロ)では、RS = 2 R2 - R4

(5)構造(ロ)では、RS = 2 R2 -2 R3

※ 画面の小さなデバイスでは選択肢が画面からはみ出します。スクロールして確認してください。

正答(2)

【解説】

要素aと要素bの信頼度をそれぞれRa、Rbとし、これらが互いに独立だとすると、これが直列につながっていれば全体の信頼度Rは、

R=Ra × Rb

となり、並列に繋がっていれば

R=1-(1-Ra)×(1-Rb)

となる。複雑な系であってもこれらの組合せで全体のRを算出できる。

本問では、すべての要素の信頼度Rで互いに独立であるので、

構造(イ)については、

まず、並列系の部分の信頼度は

1-(1-R)2

となる。そして構造(イ)全体では、これにRを乗じればよいので、

直列・並列系 並列系 × 並列系

Rs=(1-(1-R)2)×R

  =2 R2 - R3

となる。

一方、構造(ロ)であるが、実はこの信頼度は構造(イ)と全く同じなのである。なぜなら構造(ロ)の右側は上側も下側も要素cであるから。入力側を接続しても全体の信頼度は変わらない(下中央図)。

そうなると、この中央の図の右側の要素cを2個並列にしたものの信頼度は要素cと同じであるから、構造(イ)は構造(ロ)と同じになる(下右図)。

直列・並列系 直列・並列系 構造(イ)の修正

従って(2)が正答となる。

2018年10月27日執筆 2021年12月10日最終修正