労働安全コンサルタント試験 2015年 産業安全関係法令 問04

荷役運搬機械等による労働災害の防止




問題文
トップ
合格

 このページは、2015年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2015年度(平成27年度) 問04 難易度 荷役運搬機械等による労働災害防止に関する基本的な知識問題。確実に正答でいなければならない。
荷役運搬機械等

問4 荷役運搬機械等による労働災害防止のために事業者が講ずべき措置に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、誤っているものはどれか。

(1)長さ20メートル以上のコンベヤーの組立て又は解体の作業を行うときは、作業を指揮する者を定め、その者の指揮の下に作業を実施させなければならない。

(2)荷台にあおりのない貨物自動車を走行させるときは、当該荷台に労働者を乗車させてはならない。

(3)一の荷でその重量が100キログラム以上のものを貨物自動車に積む作業又は貨物自動車から卸す作業を行うときは、当該作業を指揮する者を定め、その者に器具及び工具を点検させ、不良品を取り除かせなければならない。

(4)最大積載量が5 トン以上の貨物自動車に荷を積む作業又は最大積載量が5 トン以上の貨物自動車から荷を卸す作業を行うときは、当該作業に従事する労働者が床面と荷台上の荷の上面との間を安全に昇降するための設備を設けなければならない。

(5)不整地運搬車を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、荷役装置及び油圧装置の機能について点検を行わなければならない。

正答(1)

【解説】

(1)誤り。このような規定はない。

なお、作業指揮者の選任は、通常の建設業や製造業などで、一般の労働者が行うような作業について定められている。20m以上のコンベヤの組立てや解体を一般の労働者が行うようなことはなく、作業指揮者の選任が義務付けられていることはない。

(2)正しい。安衛則第151条の72は、「事業者は、荷台にあおりのない貨物自動車を走行させるときは、当該荷台に労働者を乗車させてはならない」としている。

【労働安全衛生規則】

(荷台への乗車制限)

第151条の72 事業者は、元方安全衛生管理者に対し、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するため必要な措置をなし得る権限を与えなければならない。

 (略)

(3)正しい。安衛則第151条の70は、次のように定める。

なお、100kg以上のものの積み込み、積み降ろしの作業については、不整地運搬車、構内運搬車及び貨車についても、同様な規定がある。

【労働安全衛生規則】

(積卸し)

第151条の70 事業者は、一の荷でその重量が百キログラム以上のものを貨物自動車に積む作業(ロープ掛けの作業及びシート掛けの作業を含む。)又は貨物自動車から卸す作業(ロープ解きの作業及びシート外しの作業を含む。)を行うときは、当該作業を指揮する者を定め、その者に次の事項を行わせなければならない。

 (略)

 器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。

 (以下略)

(4)正しい。安衛則第151条の67は、次のように定める。

なお、同旨の規定は、不整地運搬車についても定められている。

【労働安全衛生規則】

(昇降設備)

第151条の67 事業者は、最大積載量が五トン以上の貨物自動車に荷を積む作業(ロープ掛けの作業及びシート掛けの作業を含む。)又は最大積載量が五トン以上の貨物自動車から荷を卸す作業(ロープ解きの作業及びシート外しの作業を含む。)を行うときは、墜落による労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者が床面と荷台上の荷の上面との間を安全に昇降するための設備を設けなければならない。

(5)正しい。安衛則第151条の57は、次のように定める。

【労働安全衛生規則】

(点検)

第151条の57 事業者は、不整地運搬車を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、次の事項について点検を行わなければならない。

 (略)

 荷役装置及び油圧装置の機能

 (以下略)

2017年12月24日執筆 2020年05月09日修正