労働衛生コンサルタント試験 2023年 労働衛生関係法令 問11

電離放射線障害を防止するための措置




問題文
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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2023年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2023年度(令和5年度) 問11 難易度 電離則に関する基本的な知識問題である。組合せ問題でもあり正答率は高かった。
電離放射線障害防止規則

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問11 電離放射線障害を防止するため事業者が講ずべき措置に関する次のイ~ニの記述について、電離放射線障害防止規則上、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

ただし、放射線業務従事者は、緊急作業には従事しないものとし、また、被ばく限度に関する適用除外はないものとする。

イ 外部放射線による実効線量と空気中の放射性物質による実効線量との合計が3か月間につき 1.3 ミリシーベルトを超えるおそれのある区域は、管理区域として標識により明示しなければならない。

ロ 放射線業務従事者の眼の水晶体に受ける等価線量が、5年間につき 100 ミリシーベルト及び1年間につき 50 ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。

ハ 管理区域内において受ける1日における外部被ばくによる線量が1センチメートル線量当量について 0.1 ミリシーベルトを超えるおそれある労働者については、外部被ばくによる線量の測定の結果を毎日確認しなければならない。

ニ 放射線業務従事者の皮膚に受ける等価線量が、1年間につき 150 ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。

(1)イ   ロ

(2)イ   ハ

(3)イ   ニ

(4)ロ   ハ

(5)ハ   ニ

正答(1)

【解説】

問11試験結果

試験解答状況
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電離放射線については、当サイトの直前チェックシートの「電離放射線障害防止規則」の表を試験の直前で良いので覚えるようにして欲しい。

イ 正しい。電離則第3条第1項(第一号)により、外部放射線による実効線量と空気中の放射性物質による実効線量との合計が3か月間につき1.3ミリシーベルトを超えるおそれのある区域は、管理区域として標識により明示しなければならない。

【電離放射線障害防止規則】

(管理区域の明示等)

第3条 放射線業務を行う事業の事業者(第62条を除き、以下「事業者」という。)は、次の各号のいずれかに該当する区域(以下「管理区域」という。)を標識によつて明示しなければならない。

 外部放射線による実効線量と空気中の放射性物質による実効線量との合計が3月間につき1.3ミリシーベルトを超えるおそれのある区域

 放射性物質の表面密度が別表第三に掲げる限度の十分の一を超えるおそれのある区域

2~5 (略)

ロ 正しい。電離則第5条第1項により、放射線業務従事者の眼の水晶体に受ける等価線量が、5年間につき 100 ミリシーベルト及び1年間につき 50 ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。

【電離放射線障害防止規則】

第5条 事業者は、放射線業務従事者の受ける等価線量が、眼の水晶体に受けるものについては5年間につき100ミリシーベルト及び1年間につき50ミリシーベルトを、皮膚に受けるものについては1年間につき500ミリシーベルトを、それぞれ超えないようにしなければならない。

 (略)

ハ 誤り。電離則第9条第1項は、1日における外部被ばくによる線量が1センチメートル線量当量について1ミリシーベルトを超えるおそれある労働者については、外部被ばくによる線量の測定の結果を毎日確認しなければならないとしている。0.1 ミリシーベルトではない。

【電離放射線障害防止規則】

(線量の測定結果の確認、記録等)

第9条 事業者は、1日における外部被ばくによる線量が1センチメートル線量当量について1ミリシーベルトを超えるおそれのある労働者については、前条第1項の規定による外部被ばくによる線量の測定の結果を毎日確認しなければならない。

2及び3 (略)

ニ 誤り。電離則第5条第1項は、放射線業務従事者の皮膚に受ける等価線量が、1年間につき 500 ミリシーベルトを超えないようにしなければならないとしている。150 ミリシーベルトではない。

【電離放射線障害防止規則】

第5条 事業者は、放射線業務従事者の受ける等価線量が、眼の水晶体に受けるものについては5年間につき100ミリシーベルト及び1年間につき50ミリシーベルトを、皮膚に受けるものについては1年間につき500ミリシーベルトを、それぞれ超えないようにしなければならない。

 (略)

2023年12月02日執筆