労働衛生コンサルタント試験 2022年 労働衛生一般 問14

消化器の生理機能




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2022年の労働衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」の問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

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2022年度(令和04年度) 問14 難易度 消化器の生理機能に関する問題は2012年からは初出である。正答率は低かった。
消化器の生理機能

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問14 消化器の生理機能に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)胃の粘膜層から分泌される胃液には、塩酸が含まれている。

(2)肝臓では、アミノ酸から体内で必要なたん白質が合成される。

(3)胆汁は、胆のうで作られて貯蔵され、食物摂取時に分泌される。

(4)すい臓で作られる膵液には、脂肪を分解する酵素が含まれている。

(5)大腸のぜん動運動は、交感神経により抑制され、副交感神経により促進される。

正答(3)

【解説】

問14試験結果

試験解答状況
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本年の労働衛生一般の問題は、難易度の高いものと低いものに分かれたが、本問は正答率は低かった。純粋な知識問題であり、知識がなければ正答しようがなく、過去に類問もない。

(1)正しい。胃液は、胃粘膜を構成する上皮細胞の構成要素である壁細胞から分泌される。また、胃液に塩酸が含まれている。

(2)正しい。肝臓では、アミノ酸から体内で必要な様々なたん白質が合成される。

(3)誤り。胆汁は、肝臓で生成されて、胆のうで貯蔵され、食物摂取時に分泌される。胆汁が胆のうで作られるわけではない。

(4)正しい。膵液は、膵臓の外分泌腺から分泌され、脂肪を分解する酵素であるリパーゼが含まれている。

(5)正しい。大腸のぜん動運動は、交感神経により抑制され、副交感神経により促進される。

蠕動運動とは、大腸の中で便を進むべき方向へ進めるための動きのことである。また、副交感神経は休息するときなどリラックスすべきときに優位となり、交感神経は闘いや逃走など興奮するべきときに優位になる。

草食動物は、自然界では周囲に敵(捕食動物)がいないのんびりしたときに脱糞したりする。敵がいて緊張しているときはそれどころではないだろう。

2022年12月08日執筆