労働衛生コンサルタント試験 2021年 労働衛生関係法令 問12

第二種酸素欠乏危険作業に該当するもの




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 このページは、2021年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2021年度(令和3年度) 問12 難易度 知識問題ではあるが、第2種酸素欠乏危険場所の定義から、試験場で考えて正答するべき問題である。
第二種酸素欠乏危険作業

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問12 次に掲げるイ~ニの酸素欠乏危険場所について、その場所における作業が酸素欠乏症等防止規則に定める第二種酸素欠乏危険場所に該当するものの組合せとして、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。

イ 石炭、亜炭、硫化鉱、鋼材、くず鉄、原木、チップ、乾性油、魚油その他空気中の酸素を吸収する物質を入れてあるタンク、船倉、ホッパーその他の貯蔵施設の内部

ロ 海水が滞留しており、若しくは滞留したことのある熱交換器、管、暗きょ、マンホール、溝若しくはピット(以下「熱交換器等」という。)又は海水を相当期間入れてあり、若しくは入れたことのある熱交換器等の内部

ハ しょうゆ、酒類、もろみ、酵母その他発酵する物を入れてあり、又は入れたことのあるタンク、むろ又は醸造槽の内部

ニ し尿、腐泥、汚水、パルプ液その他腐敗し、又は分解しやすい物質を入れてあり、又は入れたことのあるタンク、船倉、槽、管、暗きょ、マンホール、溝又はピットの内部

(1)イ  ロ

(2)イ  ハ

(3)ロ  ハ

(4)ロ  ニ

(5)ハ  ニ

正答(4)

【解説】

問12試験結果

試験解答状況
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酸欠則第2条第八号及び安衛令別表第6により、第二種酸素欠乏危険場所に該当するのは、ロ(安衛令別表第6第三号の三)及びニ(同第九号)である。

第二種酸素欠乏危険場所とは、酸素欠乏の危険のみならず、硫化水素中毒の危険の危険がある場所である。

イは、乾性油、魚油などが腐敗しない限り、硫化水素が発生する危険性はない。

また、ハの「発酵」とは微生物によってアルコールや乳酸が生じることである。硫化水素が発生する危険性は低い。なお、同じ微生物の働きの結果でも硫化水素が生じるなら「腐敗」である。

【労働安全衛生法施行令】

別表第6 酸素欠乏危険場所(第六条、第二十一条関係)

一~三の二 (略)

三の三 海水が滞留しており、若しくは滞留したことのある熱交換器、管、暗きよ、マンホール、溝若しくはピツト(以下この号において「熱交換器等」という。)又は海水を相当期間入れてあり、若しくは入れたことのある熱交換器等の内部

四~八 (略)

 し尿、腐泥、汚水、パルプ液その他腐敗し、又は分解しやすい物質を入れてあり、又は入れたことのあるタンク、船倉、槽、管、暗きよ、マンホール、溝又はピツトの内部

十及び十一 (略)

十二 前各号に掲げる場所のほか、厚生労働大臣が定める場所

【酸素欠乏症等防止規則】

(定義)

第2条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一~七 (略)

 第二種酸素欠乏危険作業 酸素欠乏危険場所のうち、令別表第六第三号の三、第九号又は第十二号に掲げる酸素欠乏危険場所(同号に掲げる場所にあつては、酸素欠乏症にかかるおそれ及び硫化水素中毒にかかるおそれのある場所として厚生労働大臣が定める場所に限る。)における作業をいう。

2021年11月05日執筆