労働衛生コンサルタント試験 2021年 労働衛生関係法令 問02

労働者への周知義務(産業医の業務内容等)




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 このページは、2021年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2021年度(令和3年度) 問02 難易度 過去問に類例のない問題。記憶に頼るのではなく、試験場で考えて正答できるようにするべきだろう。
労働者への周知義務

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問2 労働安全衛生法において、事業者はその事業場における産業医の業務の内容その他について、所定の方法により、労働者に周知すべきことが定められている。

これに関し、「産業医の業務の具体的な内容」のほかに、次のイ~ホについて、労働者に周知すべき事項の組合せとして、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。

イ 健康診断及びその結果に基づく健康の保持のための措置

ロ 産業医による健康教育、衛生教育等の実施の方法

ハ 産業医に対する健康相談の申出の方法

ニ 心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施の方法

ホ 産業医による労働者の心身の状態に関する情報の取扱いの方法

(1)イ  ロ

(2)イ  ニ

(3)ロ  ハ

(4)ハ  ホ

(5)ニ  ホ

正答(4)

【解説】

問2試験結果

試験解答状況
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安衛法第101条第2項及び安衛則第98条の2第2項に関する設問である。安衛則第98条の2第2項の第2号及び第3号に、本問のハとホについて定めている。なお、他の肢は必ずしも産業医が関わらなければならないわけではない。

おそらく、安衛則第98条の2について正確に覚えている受験生は少なかったと思われるが、各選択肢が産業医の役割かどうか、また、労働者に周知する必要性の有無という観点から正答できたのではないだろうか。

ハは労働者が知らなければ健康相談の申出ができないし、また、ホについて労働者に知識がないと安心して産業医に相談できないだろう。

【労働安全衛生法】

(法令等の周知)

第101条 事業者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨を常時各作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付けることその他の厚生労働省令で定める方法により、労働者に周知させなければならない。

 産業医を選任した事業者は、その事業場における産業医の業務の内容その他の産業医の業務に関する事項で厚生労働省令で定めるものを、常時各作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付けることその他の厚生労働省令で定める方法により、労働者に周知させなければならない。

3及び4 (略)

【労働安全衛生規則】

(法令等の周知の方法等)

第98条の2 (第1項 略)

 法第百一条第二項の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。

 事業場における産業医(法第百一条第三項において準用する場合にあつては、法第十三条の二第一項に規定する者。以下この項において同じ。)の業務の具体的な内容

 産業医に対する健康相談の申出の方法

 産業医による労働者の心身の状態に関する情報の取扱いの方法

 (略)

2021年11月01日執筆