労働衛生コンサルタント試験 2021年 労働衛生一般 問02

労働安全衛生統計




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 このページは、2021年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

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2021年度(令和3年度) 問02 難易度 労働安全衛生統計は毎年必ず問われている。やや細かい内容もあるが正答できる問題である。
労働安全衛生統計

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問2 我が国の労働安全衛生統計に関する次のイ~ニの記述について、 正しいもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。

イ 厚生労働省「業務上疾病調」によると、令和元年の休業4日以上の業務上疾病者数について、疾病分類別で最も多いものは負傷に起因する疾病であり、2番目に多いものは化学物質による疾病である。

ロ 厚生労働省「じん肺健康管理実施結果調」によると、平成30年の有所見者数は約 1,400 人であり、そのうち新規有所見者数は約 700 人である。

ハ 厚生労働省「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、仕事や職業生活に関することで強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は、平成25年以降、50~60%で推移している。

ニ 労働者災害補償保険法に基づく石綿による肺がん及び中皮腫の労災保一険給付支給決定件数は、平成27年度以降、900件弱から1,000件余で推移している。

(1)イ  ロ

(2)イ  ロ  ハ

(3)イ  ハ  ニ

(4)ロ  ニ

(5)ハ  ニ

正答(5)

【解説】

問2試験結果

試験解答状況
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本問に関連して、労働衛生の統計については当サイトの「労働衛生(産業保健)最新統計」を学習して頂きたい。このページは、一般の産業保健活動においても活用できるが、労働衛生コンサルタント試験の受験においても役に立つという観点から資料をまとめている。

また、具体的な数値は「表で見る労働災害の発生と労働衛生の状況」も参照されたい。

業務上疾病の推移

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イ 誤り。通常の年では、業務上疾病で最も多いものが「負傷に起因する疾病」であることは正しいが、2位は「物理的因子に起因する疾病」、3位は「作業態様に起因する疾病」であり、「化学物質による疾病(がんを除く)」は第4位となっている。

※ グラフでは令和2年(2020年)以降の新型コロナへの感染は除いている。新型コロナへの感染を含めたグラフは「労働衛生(産業保健)最新統計」を参照して頂きたい。

なお、2020年以降は新型コロナ肺炎に罹患したものが急増している。今後、この種の出題は新型コロナウイルスによるものを除いた統計について行われるだろうが、十分に留意する必要がある。

じん肺有所見者数の推移

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ロ 誤り。平成30年(試験問題を作成していたときは最新版だったのだろう)の有所見者数は1,366人で正しい。しかし、新規有所見者数は91名(9月27日修正後のデータ=4月3日公表データでは246名、9月2日の再確認実施前のデータでは191名)である。修正前のデータでも700名は誤りである。

石綿による労災決定件数の推移

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ハ 正しい。労働安全衛生調査によると、「仕事や職業生活に関することで強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者割合」は右図に示すように50~60%で推移している。2017年問27のハに類問がある。

具体的な数値は、「表で見る労働災害の発生と労働衛生の状況」を参照されたい。

石綿による労災決定件数の推移

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ニ 正しい。右図に示すように労働者災害補償保険法に基づく石綿による肺がん及び中皮腫の労災保一険給付支給決定件数は、平成27年度(2015年度)以降、900件弱から1,000件余で推移している。

2021年11月23日執筆 2022年07月17日最終改訂