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受験準備講習会のご案内
- セミナー名
- 労働衛生コンサルタント受験準備講習会(5月中旬より受付開始)
- 講師
- 柳川行雄(当サイト執筆者)
- 開催日
- 2026年7月9月11月それぞれテーマを変えて1日で実施
- 形態
- 会場受講又はオンライン受講
- 受講料
- 55,000円/回(割引あり)
熱中症対策研修会のご案内
- セミナー名
- 労働安全衛生管理上求められる企業における熱中症対策
- 講師
- 柳川行雄(当サイト執筆者)
- 開催日
- 2026年5月15日
- 形態
- オンライン受講
- 受講料
- 50,600円(会員割引あり)
問09 職場の熱中症に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)脱水状態の自覚症状を感じてから、水分及び塩分を摂取する。
(2)熱への順化の有無は、熱中症の発生リスクに大きく影響する。
(3)熱中症の重症度で最も軽いとされるⅢ度では、軽い意識障害が起こることがある。
(4)糖尿病、高血圧症等の基礎疾患の有無は、熱中症の発症に影響しない。
(5)身体作業強度等に応じたWBGT基準値には、気流を感じることの有無は関係しない。
このページは、2020年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。
柳川に著作権があることにご留意ください。
| 2020年度(令和2年度) | 問09 | 難易度 | 職場の熱中症対策に関する初歩的な内容の知識問題。ほぼ常識問題であり、正答できる必要がある。 |
|---|---|---|---|
| 職場の熱中症対策 | 1 |
問09 職場の熱中症に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)脱水状態の自覚症状を感じてから、水分及び塩分を摂取する。
(2)熱への順化の有無は、熱中症の発生リスクに大きく影響する。
(3)熱中症の重症度で最も軽いとされるⅢ度では、軽い意識障害が起こることがある。
(4)糖尿病、高血圧症等の基礎疾患の有無は、熱中症の発症に影響しない。
(5)身体作業強度等に応じたWBGT基準値には、気流を感じることの有無は関係しない。
正答(2)(通達の改正により(5)も正しい。)
【解説】
本問は、平成21年6月19日基発第0619001号(一部改正令和2年5月27日基発0527第2号)「職場における熱中症の予防について」(以下、本問の解説において「旧予防通達」と略す。)等からの出題であると思われるが、通達の内容を知らなくとも、内容はほぼ常識問題のレベルである。
なお、旧予防通達は令和3年4月20日基発0420第3号「職場における熱中症予防基本対策要綱の策定について」(以下、本問の解説において「新通達」と略す。)によって廃止され、新通達も令和8年3月 18 日基発 0318 第1号「職場における熱中症防止のためのガイドライン」(以下、本問の解説において「ガイドライン」と略す。)によって廃止されているが、本問の趣旨に影響はない。
この解説は、原則としてガイドラインによって解説しているが、必要に応じ、新通達の別紙に示された「職場における熱中症予防基本対策要綱」(以下、本問の解説において「要綱」と略す。)、旧予防通達にも触れている。熱中症対策の詳細は「熱中症予防管理者の教育用デジタルテキスト」を参照して頂きたい。
※ イメージ図(©photoAC)
(1)適切ではない。ガイドラインの第3の「3 作業管理」の(4)に「高温多湿作業場所においては、作業従事者について自覚症状以上に脱水状態が進行していることがあること等に留意の上、作業従事者の自覚症状の有無にかかわらず、水分及び塩分の作業前後の摂取及び作業中の定期的な摂取を指導する
」とされている。
※ なお、本問出題当時は、要綱の第2の「2 作業管理」の(3)に「自覚症状以上に脱水状態が進行していることがあること等に留意の上、自覚症状の有無にかかわらず、水分及び塩分の作業前後の摂取及び作業中の定期的な摂取を指導するとともに、労働者の水分及び塩分の摂取を確認するための表の作成、作業中の巡視における確認などにより、定期的な水分及び塩分の摂取の徹底を図ること
」とされていた。
(2)正しい。ガイドラインの第3の「3 作業管理」の(2)に「高温多湿作業場所において作業従事者を作業に従事させる場合には、暑熱順化(熱に慣れ当該環境に適応すること)の有無が、熱中症の発症リスクに大きく影響する
」とされている。
※ なお、本問出題当時は、要綱の第2の「2 作業管理」の(2)に同趣旨の記述があった。
ここで、熱への順化とは熱ストレスにさらされることへの慣れのことをいう。熱中症の予防委は、7日以上かけて熱へのばく露時間を次第に長くすることが有効であり、順化するまでは適用すべき WBGT 基準値は低くする必要がある。
(3)誤り。ガイドラインに示された熱中症の重症度の区分では、Ⅲ度・Ⅳ度は最も重いとされている(※)。なお、Ⅲ度の症状は、「意識障害・痙攣・手足の運動障害」「高体温」であり、軽くても意識障害があればⅢ度と判断し、医療機関へ搬送するべきである。
※ なお、本問出題当時は、要綱に示された熱中症の重症度の区分では、Ⅲ度が最も重いとされており、その症状は、「意識障害・痙攣・手足の運動障害」「高体温」である。
要綱で、熱中症の重症度をⅠ度からⅢ度までに分類していたのは、日本救急医学会の「熱中症診療ガイドライン 2015」で紹介された「熱中症重症度分類 2015」によっていた。同学会は、「熱中症診療ガイドライン 2024」(5ページ以降)において、熱中症の重症度をⅠ度からⅣ度までに分類する新しい分類法を公表している。
(4)誤り。ガイドラインの第3の「4 健康管理」の「(1)健康診断結果に基づく対応等」に「①糖尿病、②高血圧症、③心疾患、④腎不全、⑤精神・神経関係の疾患、⑥広範囲の皮膚疾患、⑦感冒等、⑧下痢等
」は熱中症の発症に影響を与えるおそれのある疾患とされている。
※ なお、本問出題当時は、要綱の第2の「3 健康管理」の「(1)健康診断結果に基づく対応等」に「糖尿病、高血圧症、心疾患、腎不全等の熱中症の発症に影響を与えるおそれのある疾患
」と表現がある。
(5)正しい。本問出題当時の旧予防通達「表1-1 身体作業強度等に応じた WBGT 基準値」では、区分を「高代謝率」「極高代謝率」に分けて、気流を感じることの有無によって WBGT 基準値をそれぞれ定めていた。従って、出題当時は誤りの肢であった。
しかし、新通達の別添要綱の表1-1では、気流による区別を行っておらず、ガイドラインでもこれを踏襲しているので、現時点では正しい肢ということになる。
なお、WBGT は気流を評価していないとする解説をまれに見かけることがあるが正しくない。湿球温度計によって間接的に評価している(※)。
※ ただし、安価な WBGT 測定器では、気流を評価していないものもあることに留意しなければならない。





