労働衛生コンサルタント試験 2018年 労働衛生関係法令 問10

構造規格を具備すべき防毒マスク




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合格

 このページは、2018年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2018年度(平成30年度) 問10 難易度 これは覚えておく必要がある。また過去問に同様なものもあり、必ず正答できなければならない。
構造規格対象防毒マスク

問10 労働安全衛生法令上、厚生労働大臣が定める規格を具備すべき防毒マスクに該当しないものはどれか。

(1)ハロゲンガス用防毒マスク

(2)有機ガス用防毒マスク

(3)青酸ガス用防毒マスク

(4)一酸化炭素用防毒マスク

(5)アンモニア用防毒マスク

正答(3)

【解説】

本問は、2012年問12にほぼ同じ問題が出題されている。

厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備すべき機械等の範囲は、安衛法第42条により定められている。この条文はきわめて分かりにくいが、別表第2に掲げるもの(及び安衛令第13条第1項に定めるもの)とされているのである。

従って、安衛法別表第2第9号に掲げる「防毒マスク」は、すべて「厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備すべき機械等」になるはずだが、安衛令第13条第5項が、安衛法別表第2そのものを限定するという、非常に分かりにくい規定となっている。

そして、安衛令第13条第5項は、安衛法別表第2第9号に掲げる「防毒マスク」は、「ハロゲンガス用又は有機ガス用防毒マスクその他厚生労働省令で定めるもの」に限られるとしているのである。この規定を受けて、安衛則第26条は、「その他厚生労働省令で定めるもの」を一酸化炭素用防毒マスク、アンモニア用防毒マスク及び亜硫酸ガス用防毒マスクと定めている。

従って「厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備すべき」防毒マスクは以下のものに限定されることとなる。

① ハロゲンガス用防毒マスク

② 有機ガス用防毒マスク

③ 一酸化炭素用防毒マスク

④ アンモニア用防毒マスク

⑤ 亜硫酸ガス用防毒マスク

すなわち(3)が正答となる。

【労働安全衛生法】

(譲渡等の制限等)

第42条 特定機械等以外の機械等で、別表第二に掲げるものその他危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、政令で定めるものは、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない。

別表第2 (第四十二条関係)

一~八 (略)

 防毒マスク

 (以下略)

【労働安全衛生法施行令】

(厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備すべき機械等)

第13条 (略)

2~4 (略)

 次の表の上欄に掲げる機械等には、それぞれ同表の下欄に掲げる機械等を含まないものとする。

(略) (略)
法別表第二第九号に掲げる防毒マスク ハロゲンガス用又は有機ガス用防毒マスクその他厚生労働省令で定めるもの以外の防毒マスク
(略) (略)

【労働安全衛生規則】

(規格を具備すべき防毒マスク)

第26条 令第十三条第五号の厚生労働省令で定める防毒マスクは、次のとおりとする。

 一酸化炭素用防毒マスク

 アンモニア用防毒マスク

 亜硫酸ガス用防毒マスク

2018年10月20日執筆 2020年01月11日修正