労働衛生コンサルタント試験 2018年 労働衛生一般 問05

高圧室内業務又は潜水業務




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合格

 このページは、2018年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2018年度(平成30年度) 問05 難易度 高圧作業に関する基本的な問題である。確実に正答できなければならない問題。
高圧作業

問05 高圧室内業務又は潜水業務における高気圧障害とその予防に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)高気圧障害とは、高気圧による減圧症、酸素、窒素又は炭酸ガスによる中毒その他の高気圧による健康障害をいう。

(2)気こう室とは、高圧室内業務に従事する労働者が作業室への出入りに際し、加圧又は減圧を受ける室をいう。

(3)水深40メートルを超える潜水業務においては、窒素を呼吸用不活性ガスとして用いることが望ましい。

(4)健康診断の結果、肺活量が著しく減少している場合は、慢性酸素中毒のおそれがある。

(5)ヘリウムは、熱伝導性が高いために潜水者の体温を奪いやすい欠点がある。

正答(3)

【解説】

(1)適切である。高気圧作業安全衛生規則第1条の2に、高気圧障害とは、高気圧による減圧症、酸素、窒素又は炭酸ガスによる中毒その他の高気圧による健康障害をいうとされている。

(2)適切である。高気圧作業安全衛生規則第1条の2に、気こう室とは、高圧室内業務に従事する労働者が、作業室への出入りに際し加圧又は減圧を受ける室をいうとされている。

(3)適切でない。これは、説明するまでもないだろう。窒素には麻酔作用があるので、高圧の環境では好ましくない影響を与える。深い潜水では、窒素の代わりにヘリウムが使用される。

(4)適切である。一定以上の分圧の酸素を長時間吸入すると、肺活量の減少が見られる慢性酸素中毒を発症するおそれがあると言われている。

なお、慢性の酸素中毒(肺酸素中毒)の主な症状は肺の障害で、胸部違和感、咳・痰、肺活量の減少などが生じる。

(5)適切である。深海潜水に使用するヘリウムの熱伝導性は、100m深度では大気圧空気の約5倍、200m深度では約8倍、300m深度では約11倍となる。このヘリウムの熱力学的特性により、身体と環境ガス問の熱出納が速くなる。すなわち、高圧ヘリウムの環境下においては、ヒトの至適温度が高温側に移動するとともに、その領域が狭くなる。このため、わずかな環境温度の変化によって、厳しい寒冷・温熱負荷になる。従って、適切でないとは言えない。

2019年12月01日執筆 2020年01月13日修正