労働衛生コンサルタント試験 2016年 労働衛生関係法令 問06

事務所衛生基準規則




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合格

 このページは、2016年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2016年度(平成28年度) 問06 難易度 事務所則に関するごく基本的な知識問題である。これに正答できなければ合格はおぼつかないだろう。
事務所衛生基準規則

問6 事務所の衛生基準について事業者が講ずべき措置に関する次のイ~ニの記述のうち、事務所衛生基準規則上、正しいもののみの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

イ 労働者を常時就業させる室における一酸化炭素の含有率(1気圧、温度25 度とした場合の空気中に占める当該ガスの容積の割合をいう。)を100万分の50 以下としなければならない。

ロ 労働者を常時就業させる室の温度が15 度以下の場合は、暖房する等適当な温度調節の措置を講じなければならない。

ハ 機械による換気のための設備について、はじめて使用するとき、分解して改造又は修理を行ったとき及び3か月以内ごとに1回、定期に、異常の有無を点検し、その結果を記録して、これを3年間保存しなければならない。

ニ 日常行う清掃のほか、大掃除を、6か月以内ごとに1回、定期に、統一的に行わなければならない。

(1)イ  ロ

(2)イ  ハ

(3)イ  ニ

(4)ロ  ハ

(5)ハ  ニ

正答(3)

【解説】

以下により(3)が正答となる。

イ 正しい。事務所衛生基準基則(以下、本問の解説において「事務所則」という。)第3条第2項には、「事業者は、室における一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率(1気圧、温度25度とした場合の空気中に占める当該ガスの容積の割合をいう。以下同じ。)を、それぞれ百万分の50以下及び百万分の5千以下としなければならない」とある。

なお、空気調和設備(空気を浄化し、その温度、湿度及び流量を調節して供給することができる設備)又は機械換気設備(空気を浄化し、その流量を調節して供給することができる設備)を設けている場合は、室に供給される空気について、一酸化炭素の濃度を百万分の10以下(外気が汚染されているために、一酸化炭素の含有率が百万分の10以下の空気を供給することが困難な場合は、百万分の20以下)としなければならないことも覚えておく必要がある。

【事務所衛生基準規則】

(換気)

第3条 事業者は、室においては、窓その他の開口部の直接外気に向つて開放することができる部分の面積が、常時床面積の二十分の一以上になるようにしなければならない。ただし、換気が十分に行なわれる性能を有する設備を設けたときは、この限りでない。

 事業者は、室における一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率(一気圧、温度二十五度とした場合の空気中に占める当該ガスの容積の割合をいう。以下同じ。)を、それぞれ百万分の五十以下及び百万分の五千以下としなければならない。

ロ 誤り。事務所則第4条には、「事業者は、室の気温が10度以下の場合は、暖房する等適当な温度調節の措置を講じなければならない」とある。従って、15度以下とする本肢は誤りである。

なお、現実には15度でもやや低いと思われる。コンサルタントの実務においては最低条件である法令の数値にとらわれずに適切な温度となるようにするべきである。

【事務所衛生基準規則】

(温度)

第4条 事業者は、室の気温が十度以下の場合は、暖房する等適当な温度調節の措置を講じなければならない。

 (略)

ハ 誤り。事務所則第9条には、「事業者は、機械による換気のための設備について、はじめて使用するとき、分解して改造又は修理を行なつたとき、及び2月以内ごとに1回、定期に、異常の有無を点検し、その結果を記録して、これを3年間保存しなければならない」とある。従って、「3か月以内ごとに1回」点検するとしている本肢は誤りである。なお、保存期間の3年は正しい。

【事務所衛生基準規則】

(点検等)

第9条 事業者は、機械による換気のための設備について、はじめて使用するとき、分解して改造又は修理を行なつたとき、及び二月以内ごとに一回、定期に、異常の有無を点検し、その結果を記録して、これを三年間保存しなければならない。

ニ 正しい。事務所則第15条第1項は、「事業者は、次の各号に掲げる措置を講じなければならない」とし、その第1号で「日常行う清掃のほか、大掃除を、六月以内ごとに一回、定期に、統一的に行うこと」を示す。

【事務所衛生基準規則】

(清掃等の実施)

第15条 事業者は、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

 日常行う清掃のほか、大掃除を、六月以内ごとに一回、定期に、統一的に行うこと。

 (以下略)

2017年11月03日執筆 2020年04月12日修正