労働衛生コンサルタント試験 2014年 労働衛生一般 問18

局所排気装置等の定期自主検査




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 このページは、2014年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2014年度(平成26年度) 問18 難易度 局所排気装置等の定期自主検査に関するかなり高度な知識問題。専門家以外には難問だっただろう。
局排等の定期自主検査

問18 局所排気装置等の定期自主検査に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)実際にグラインダーによる研磨作業を行い、そのときの火花がレシーバー式フード内に入ることを確かめることにより、研磨作業時に発生する有害物に作業者がばく露していないことが確認できる。

(2)排気ダクト内への粉じんの堆積状態は、テストハンマーなどによりダクトの外面を軽く打った時の打音によって調べることができる。

(3)局所排気装置の排気流量が減少し、十分な性能を発揮していないときに点検しなければならないものは、排気ファンと電動機をつなぐファンベルトの緩み、ダクト内の粉じんの堆積状態、ダクト内への空気の漏れ込みなどである。

(4)囲い式フードの制御風速を計測する際には、原則としてフードの開口部を一辺が 0.5 m 以下となる面積の等しい 16 か所以上の面となるように区切り、それぞれの中心点の風速を計測する。

(5)プッシュプル型換気装置では、ブース及び換気区域内に、一様流を妨げるような器具や工具などが置かれていないことを確かめる。

正答(1)

【解説】

本問は、局所排気装置の定期自主検査指針からの出題である。

局所排気装置の定期自主検査指針プッシュプル型換気装置の定期自主検査指針及び除じん装置の定期自主検査指針 の3つの指針が定められている。

(1)誤り。このような規定はない。実際にグラインダーによる研磨作業を行ってみたところで、作業の状況により粉じんの発生状況は大きくばらつく。本肢のような確認方法は不適切である。

(2)正しい。局所排気装置の定期自主検査指針の「Ⅲ 検査項目等」の「2.ダクト」の項には「(2) 内面の摩耗、腐食等及び粉じん等のたい積の状態」を調べる方法として「ダクトの立ち上がり部の前等粉じん等のたい積しやすい箇所等において、鋼板製の厚肉ダクトの場合にあってはテストハンマー、鋼板製の薄肉ダクト又は樹脂製ダクトの場合にあっては木ハンマーを用いてダクトの外面を軽く打ち、打音を調べる」方法が示されている。

(3)正しい。定期自主検査では「局所排気装置の排気流量が減少し、十分な性能を発揮していないとき」に限定されないが、排気ファンと電動機をつなぐファンベルトの緩み、ダクト内の粉じんの堆積状態、ダクト内への空気の漏れ込みを点検しなければならない。また、これらに異常があれば、局所排気装置の排気流量が減少することはあり得る。

(4)正しい。局所排気装置の定期自主検査指針の「Ⅲ 検査項目等」の「4. 吸気及び排気の能力」の項には「(1) 制御風速」を調べる方法として、囲い式フードについては、原則としてフードの開口部を一辺が 0.5m 以下となる面積の等しい 16 か所以上の面となるように区切り、それぞれの中心点の風速を計測する方法が図式で示されている。

(5)正しい。プッシュプル型換気装置の定期自主検査指針の「Ⅲ 検査項目等」の「1.フード(吹き出し側フード及び吸い込み側フード)」の項には「(2) 一様流の状態及びそれを妨げる物の有無」の検査方法として、原則として「ブース及び換気区域内に、作業中の器具、工具、被加工物、材料等がないことを調べる」とされている。

2020年05月23日執筆