労働衛生コンサルタント試験 2014年 労働衛生一般 問10

化学物質ばく露後の尿中代謝物




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合格

 このページは、2014年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2014年度(平成26年度) 問10 難易度 化学物質ばく露後の尿中代謝物に関する基本的な知識問題。確実に正答できなければならない。
化学物質と尿中代謝物

問10 化学物質とばく露後の尿中代謝物の組合せとして、 誤っているものは次のうちどれか。

(1)トルエンと馬尿酸

(2)キシレンとメチル馬尿酸

(3)ノルマルヘキサンとアジピン酸

(4)スチレンとマンデル酸

(5)1,1,1 -トリクロロエタンとトリクロロ酢酸

正答(3)

【解説】

化学物質ばく露後の尿中代謝物は、生物学的モニタリングのばく露指標となる。化学物質とばく露指標の組合せは、基本的な衛生管理者の教科書には必ず記されている。これは語呂合わせでよいから、覚えておこう。

次に示す表から明らかなように、(3)が誤りで、ノルマルヘキサンのばく露指標は尿中ヘキサンジオンである。

因みに、アジピン酸は、ポリアミド(ナイロン66)やウレタンの原料などとして用いられる化学物質である。なにかのばく露指標として用いられることはないだろうが、アジピン酸をラットに投与したときに一部が尿中にそのまま排出されたことが確認されている。

物質名 ばく露指標(特殊健康診断の検査内容)
トルエン 尿中馬尿酸
キシレン 尿中メチル馬尿酸
スチレン 尿中マンデル酸
テトラクロルエチレン 尿中トリクロル酢酸又は総三塩化物
1.1.1-トリクロルエタン
トリクロルエチレン
N.N-ジメチルホルムアミド 尿中N-メチルホルムアミド
ノルマルヘキサン 尿中ヘキサンジオン
血液中鉛、尿中デルタアミノレブリン酸
2020年05月20日執筆