労働衛生コンサルタント試験 2014年 労働衛生一般 問01

快適な職場環境の形成




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 このページは、2014年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2014年度(平成26年度) 問01 難易度 快適職場指針に関する基本的な知識問題。最近はあまり出題されない分野だが正答しておきたい。
快適職場指針

問01 快適な職場環境の形成のために事業者が講ずる措置として、「事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針」において、記載されていない事項は、次のうちどれか。

(1)屋外作業場では、浮遊粉じんや臭気等を労働者が不快と感じることのないように管理濃度以下となるよう発散を抑制する。

(2)腰部、頸部等身体の一部又は全身に常態的に大きな負担のかかる不自然な姿勢での作業については、機械設備の改善を図る。

(3)疲労やストレスを効果的に癒すことができるように臥床できる設備を備えた休憩室等を確保する。

(4)洗面所、更衣室等の労働者の就業に際し必要となる設備を常時清潔で使いやすくする。

(5)高温多湿な環境での作業において、操作を遠隔化する。

正答(1)

【解説】

本問は「事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針」(以下本問の解説において「指針」という。)からの出題である。なお、指針については、これ以降2021年まで出題実績はない。

そのため学習量を充分に配分することは難しい。しかし、快適職場の考え方は、職業性疾病を防止するための法令の基準を満足した事業場において、職場環境をより快適なものにすることである。そのことが分かっていれば、(1)のように「管理濃度以下」という用語があるのは不自然だと分かるだろう。

なお、指針は、

1 作業環境を快適な状態に維持管理するための措置

2 労働者の従事する作業について、その方法を改善するための措置

3 作業に従事することによる労働者の疲労の回復を図るための施設・設備の設置・整備

4 その他の快適な職場環境を形成するため必要な措置

からなっており、(2)及び(5)は2、(3)は3、(4)は4の措置である。

(1)誤り。「屋内作業場で、空気環境における浮遊粉じんや臭気等について、労働者が不快と感ずることのないよう維持管理」することは、指針第2の1の(1)にも記されており、快適職場を実現する上で重要な項目の一つである。

しかし、それは「管理濃度以下となるよう」にするのではない。管理濃度は、作業環境管理の良否を判断するなどのための指標であり、健康影響の防止の観点から定められているのであって、不快な臭気を防止する観点から定められているものではない。

実際に、ほとんどの化学物質は、管理濃度以下であっても臭気を感じなかったり、管理濃度より低い濃度でも臭気を感じたりする。

なお、指針は「屋内作業場」、選択肢は「屋外作業場」となっているが、これは「本肢も正しいのではないか」と外部から指摘されたときのための、試験協会の「保険」のようなものであろう。

(2)正しい。指針第2の2の(1)に本肢と同じ表現がある。

(3)正しい。指針第2の3の(1)に本肢と同じ表現がある。

(4)正しい。指針第2の4の(1)に本肢と同じ表現がある。

(5)正しい。指針第2の2の(3)に本肢と同じ表現がある。。

2020年05月17日執筆 2022年10月10日一部加筆・修正