労働衛生コンサルタント試験 2013年 労働衛生関係法令 問06

事務室の空気環境の測定及び設備の点検




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 このページは、2013年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2013年度(平成25年度) 問06 難易度 事務所則に関して、繰り返し問われている内容である。正答できなければならない。
事務所則の測定及び点検

問6 事務室の空気環境の測定及び設備の点検に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、誤っているものはどれか。

(1)中央管理方式の空気調和設備を設けた建築物の事務室については、原則として、2か月ごとに1回、定期に、空気中の一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率、室温及び外気温並びに相対湿度に係る作業環境測定を行わなければならない。

(2)事務室の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替を行ったときは、事務室の使用開始後最初に到来する6月から9月までの期間に1回、空気中のホルムアルデヒドの濃度を測定しなければならない。

(3)空気調和設備内に設けられた排水受けについては、原則として、1か月以内ごとに1回、定期に、その汚れ及び閉塞の状況を点検し、必要に応じ、その清掃等を行わなければならない。

(4)空気調和設備の加湿装置については、原則として、2か月以内ごとに1回、定期に、その汚れの状況を点検し、必要に応じ、その清掃等を行わなければならない。

(5)事務室において使用する機械による換気のための設備については、2か月以内ごとに1回、定期に、異常の有無を点検しなければならない。

正答(4)

【解説】

(1)正しい。事務所則第7条第1項(第一号)(及び安衛令第21条第五号)の規定により、中央管理方式の空気調和設備を設けた建築物の事務室については、原則として、2か月ごとに1回、定期に、空気中の一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率、室温及び外気温並びに相対湿度に係る作業環境測定を行わなければならない。

【労働安全衛生法】

(作業環境測定)

第65条 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。

2~5 (略)

【労働安全衛生法施行令】

(作業環境測定を行うべき作業場)

第21条 法第六十五条第一項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。

一~四 (略)

 中央管理方式の空気調和設備(空気を浄化し、その温度、湿度及び流量を調節して供給することができる設備をいう。)を設けている建築物の室で、事務所の用に供されるもの

六~十 (略)

【事務所衛生基準規則】

(作業環境測定等)

第7条 事業者は、労働安全衛生法施行令(昭和四十七年政令第三百十八号)第二十一条第五号の室について、二月以内ごとに一回、定期に、次の事項を測定しなければならない。ただし、当該測定を行おうとする日の属する年の前年一年間において、当該室の気温が十七度以上二十八度以下及び相対湿度が四十パーセント以上七十パーセント以下である状況が継続し、かつ、当該測定を行おうとする日の属する一年間において、引き続き当該状況が継続しないおそれがない場合には、第二号及び第三号に掲げる事項については、三月から五月までの期間又は九月から十一月までの期間、六月から八月までの期間及び十二月から二月までの期間ごとに一回の測定とすることができる。

 一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率

二及び三 (略)

 (略)

(2)正しい。事務所則第7条の2の規定により、事務室の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替を行ったときは、事務室の使用開始後最初に到来する6月から9月までの期間に1回、空気中のホルムアルデヒドの濃度を測定しなければならない。

【事務所衛生基準規則】

(空気調和設備等による調整)

第5条 (柱書 略)

一及び二 (略)

 ホルムアルデヒドの量(一気圧、温度二十五度とした場合の当該空気一立方メートル中に含まれるホルムアルデヒドの重量をいう。以下同じ。)が、〇・一ミリグラム以下であること。

2及び3 (略)

第7条の2 事業者は、室の建築(建築基準法第二条第十三号に規定する建築をいう。)、大規模の修繕(同条第十四号に規定する大規模の修繕をいう。)又は大規模の模様替(同条第十五号に規定する大規模の模様替をいう。)(以下「建築等」と総称する。)を行つたときは、当該建築等を行つた室における第五条第一項第三号に規定する事項について、当該建築等を完了し、当該室の使用を開始した日以後最初に到来する六月から九月までの期間に一回、測定しなければならない。

(3)正しい。事務所則第9条の2(第四号)の規定により、空気調和設備内に設けられた排水受けについては、原則として、1か月以内ごとに1回、定期に、その汚れ及び閉塞の状況を点検し、必要に応じ、その清掃等を行わなければならない。

【事務所衛生基準規則】

第9条の2 事業者は、空気調和設備を設けている場合は、病原体によつて室の内部の空気が汚染されることを防止するため、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

一~三 (略)

 酸空気調和設備内に設けられた排水受けについて、当該排水受けの使用開始時及び使用を開始した後、一月以内ごとに一回、定期に、その汚れ及び閉塞の状況を点検し、必要に応じ、その清掃等を行うこと。ただし、一月を超える期間使用しない排水受けに係る当該使用しない期間においては、この限りでない。

 (略)

(4)誤り。事務所則第9条の2(第三号)の規定により、空気調和設備の加湿装置については、原則として、1か月以内ごとに1回、定期に、その汚れの状況を点検し、必要に応じ、その清掃等を行わなければならない。2月以内ごとに1回では足りない。

【事務所衛生基準規則】

第9条の2 事業者は、空気調和設備を設けている場合は、病原体によつて室の内部の空気が汚染されることを防止するため、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

一及び二 (略)

 加湿装置について、当該加湿装置の使用開始時及び使用を開始した後、一月以内ごとに一回、定期に、その汚れの状況を点検し、必要に応じ、その清掃等を行うこと。ただし、一月を超える期間使用しない加湿装置に係る当該使用しない期間においては、この限りでない。

四及び五 (略)

(5)正しい。事務所則第9条の規定により、事務室において使用する機械による換気のための設備については、2か月以内ごとに1回、定期に、異常の有無を点検しなければならない。

【事務所衛生基準規則】

第9条 事業者は、機械による換気のための設備について、はじめて使用するとき、分解して改造又は修理を行なつたとき、及び二月以内ごとに一回、定期に、異常の有無を点検し、その結果を記録して、これを三年間保存しなければならない。

2021年02月11日執筆