労働衛生コンサルタント試験 2013年 労働衛生一般 問25

粉じん作業の種類と防じんマスク




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 このページは、2013年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2013年度(平成25年度) 問25 難易度 本問は労働衛生コンサルタント試験問題として不適切な内容である。
防じんマスク

問25 取替え式防じんマスクが使用可能で、オイルミスト等が共存しない条件において、粉じんが発生する作業Aと使用する取替え式防じんマスクの性能区分Bとの次の組合せのうち適切でないものはどれか。

      
(1) 石綿を含む建造物の解体作業(隔離空間の外部)    RS3
(2) 石綿を含まない石材の研磨作業    RS2
(3) 鋳物の型ばらし作業    RS1
(4) 鉛の精錬作業    RS1
(5) アーク溶接作業    RS2

正答(4)

【解説】

本問は、(4)が通達に違反していることから明らかに不適切であるので、これが正答であると思われる。また、(1)は技術上の指針に示されている通りなので適切な肢(正答ではない肢)であるとしてよい。

しかしながら、(2)、(3)及び(5)の保護具については、粉じん又はヒュームの気中濃度を管理濃度で除した値と、防護係数とを勘案して選択されるべきであり、各肢に示された防じんマスクを一律に適切であるとすることは、労働衛生管理の観点から望ましくない。

とりわけ、(5)の保護具については、アーク溶接作業の防じんマスクの種類は、告示によって、当該呼吸用保護具に係る要求防護係数を上回る指定防護係数を有するものでなければならないとされている。

(1)適切である。「建築物等の解体等の作業及び労働者が石綿等にばく露するおそれがある建築物等における業務での労働者の石綿ばく露防止に関する技術上の指針」の「2-5-1 呼吸用保護具等の選定」の(1)によれば、「隔離空間の外部で石綿等の除去等の作業を行う際に着用する呼吸用保護具は、電動ファン付き呼吸用保護具等又は取替え式防じんマスク(防じんマスクの規格(昭和63年労働省告示第19号)に規定するRS3又はRL3のものに限る。)とすること」とされている。

(2)不適切であるとまでは言えない。石綿を含まない石材の研磨作業では、一般に RS2 の防じんマスクが使用されているであろう。一般的な作業条件の下では、必ずしも不適切であるとまでは言えない。

(3)不適切であるとまでは言えない。(4)の解説に示す通達の別表でも RS1 の防じんマスクが認められており、安衛法に違反しているとは言えない。しかし、RS1 の防じんマスクはほとんど市販されていない。現実には RS2 の防じんマスクを用いるべきである。

(4)不適切である。鉛の精錬作業は、鉛中毒予防規則第58条第2項の適用がある。そして、鉛の管理濃度は“鉛として0.05 mg/m3”である。

平成17年2月7日基発第0207006号「防じんマスクの選択、使用等について」の別紙によれば、「管理濃度が 0.1mg/m3 以下の物質の粉じんを発散する場所における作業において使用する防じんマスク」に、RS1の使用は認められていない。

(5)適切であるとは言えない。(本問出題後の法令改正についてのものではあるが)「金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場に係る溶接ヒュームの濃度の測定の方法等」(令和2年7月31日厚生労働省告示第286号)で、溶接ヒューム中のマンガンの濃度の測定値のうち最大のものと要求防護係数から、呼吸用保護具を選択するものとされている。

気中濃度測定の結果によっては、RS2 が適切であるとは、必ずしも言えない。

2021年03月14日執筆