労働衛生コンサルタント試験 2013年 労働衛生一般 問07

チェーンソー取り扱い業務の労働衛生管理




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 このページは、2013年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2013年度(平成25年度) 問07 難易度 振動障害防止に関する基本的な知識問題である。正答できなければならない。
チェーンソー取扱い業務

問07 チェーンソー取り扱い業務の労働衛生管理に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)6か月以内ごとに1回、定期に健康診断を行う。

(2)雨の中の作業等、作業者の身体を冷やすことは避ける。

(3)1日の振動ばく露限界時間は、チェーンソーの周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値より算出される。

(4)チェーンソーによる一連続の振動ばく露時間は、10分以内とする。

(5)1日の振動ばく露時間は、最大5時間までとする。

正答(5)

【解説】

(1)正しい。「チエンソー使用に伴う振動障害の予防について」(昭和45年2月28日基発第134号/改正:昭和48年10月18日基発第597号)に、「チェンソーを使用する労働者に対して、雇入れの際、当該業務への配置替えの際及び6月以内ごとに1回、定期に次の項目について健康診断を行うこと」とされている。

(2)正しい。「チエンソー取扱い業務に係る健康管理の推進について」(平成21年7月10日付基発0710第1号)の別添2「チェーンソー取扱い作業指針」の第1の5の(1)に、「雨の中の作業等、作業者の身体を冷やすことは、努めて避けること」とされている。

(3)正しい。日振動ばく露時間A(8) についての次式はよく知られている。

日振動ばく露時間:A8=a×T8

ここで、aは周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値[m/s2]であり、Tは1日当たりの振動ばく露時間である。

肢(2)の解説で挙げた通達の別添2の「チェーンソー取扱い作業指針」の「第1 事業者の措置」の3の(2)によれば、このA(8)を「日振動ばく露限界値」である5[m/s2]を超えないように1日の振動ばく露時間を定めることとされているので、

1日の振動ばく露限界時間=8×5a2

となる。従って本肢は正しいということになろう。

ただ、日振動ばく露限界値に対応した1日の振動ばく露時間(振動ばく露限界時間)が2時間を越える場合、当面、1日の振動ばく露時間を2時間以内とするとされているので、やや疑問は残る。

(4)正しい。肢(2)の解説で挙げた通達の別添2「チェーンソー取扱い作業指針」の第1の3の(3)によれば「チェーンソーによる一連続の振動ばく露時間は、10分以内とすること」とされている。

(5)誤り。(3)の解説で述べたように、1日の振動ばく露時間は、当面、最大2時間までとされている。

2021年02月15日執筆