労働衛生コンサルタント試験 2012年 労働衛生一般 問24

筋活動




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合格

 このページは、2012年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2012年度(平成24年度) 問24 難易度 筋活動に関する基本的な知識問題である。類問が少ないので難問かもしれないが、正答しておきたい。
筋活動

問24 筋肉に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)静的筋活動での筋緊張の最大持続時間は、筋緊張の強さに依存する。

(2)筋収縮により発揮される単位断面積当たりの最大筋力は、性別に依存する。

(3)筋収縮により発揮できる最大筋力は、筋肉の太さに依存する。

(4)動的筋活動のほか、静的筋活動でも筋収縮は起こる。

(5)立位作業に比べ椅子座位作業では脊柱支持筋の筋疲労が軽減される。

正答(2)

【解説】

(1)正しい。これは説明するまでもなく当然であろう。静的筋活動での筋緊張の最大持続時間は、筋緊張の強さに依存する。

(2)誤り。絶対筋力(単位断面積当たりに発生する最大筋力)は、個人差はあるものの、年齢・性別の平均値には依存せず 4~10kg/cm2程度である(※)とされる。

※ 幸田利敬「筋力トレーニングについて」(運動生理 Vol.9 No.3 1994年)

(3)正しい。随意最大筋力は、[筋断面積]×[絶対筋力]で算出できる(※)ので、筋収縮により発揮できる最大筋力は、筋肉の太さに依存する。

※ 幸田 前掲書

(4)正しい。動的収縮とは関節運動を伴う筋収縮であり、静的収縮は関節運動を伴わない筋収縮である。動的筋活動でも静的筋活動でも筋収縮は起きている。

(5)正しい。厚労省の「職場における腰痛予防対策指針及び解説」の「Ⅱ 立ち作業」の解説の「3 椅子の配置」に「長時間立位姿勢を保つことにより、椎間板にかかる内圧の上昇のほかに、脊柱支持筋及び下肢筋の筋疲労が生じる。座ったまま作業できるような椅子を使用すると、脊柱支持筋及び下肢筋の緊張を緩和し、筋疲労を軽減するのに効果がある」とされている。

立位作業に比べ椅子座位作業では脊柱支持筋の筋疲労が軽減される。

2022年01月11日執筆