X サーバーの2026年新サーバーに移行してみた


サーバー

※ イメージ図(©photoAC)

当サイトは、2023年1月にサーバーをさくらのレンタルサーバーからエックスサーバーに移行し、2024 年3月には新しくリリースされた第4世代EPYC プロセッサーを採用した最新のサーバーに移行しました。

このほど、エックスサーバーから、第5世代「AMD EPYC」を採用し、オール「NVMe」対応の新サーバをリリースするとのメールによる連絡を受けました。

もちろん、既存のユーザーもサーバー移行は可能です。そこで、早速移行してみましたので、その体験と速度の測定結果を報告します。




1.エックスサーバーが新サーバーの提供開始

執筆日時:


(1)エックスサーバーが高性能の新サーバーの提供開始

ア エックスサーバーのこれまでのサーバー能力の向上

サーバーのイメージ

※ イメージ図(©photoAC)

当サイトは、2023年の1月にレンタルサーバをそれまでのさくらのレンタルサーバーからエックスサーバーに移転した。そして、2024 年4月にはエックスサーバーが新しく CPU に AMD 社の第4世代 EPYC プロセッサーを採用した新型サーバをリリースしたため、新型サーバーに移行している(※)。

※ 新サーバーでは、古いバージョンの PHP を使用しているサイトは動作しない可能性がある。またサーバーを移行すれば、サーバー番号が変わるのでメールソフトの設定等も変更する必要がある。このようなことから、サーバー移行を望まないユーザーもいるため、あくまでも希望者のみが移行することとなる。

当サイトは個人のサイトであり、移行に伴う設定変更などは個人で解決できるので、すぐに移転を申し込んでいる。なお、移行に関する設定などは、「X サーバーの2024年新サーバーに移行してみた」を参照して欲しい。

実は、エクスサーバーは1年に1度程度の割合でサーバーの性能改善を図っている。中小規模の企業のサイトの場合、新サーバの提供が開始されても移行しないことも多いのが実態である。しかし高性能のサーバーのサービスを受けられ、閲覧速度の改善があり得るのだから移行しないのはかなり不経済なことではある。


イ エックスサーバーの2026年3月の新型サーバーの提供開始

パソコンの前で喜ぶ男女

※ イメージ図(©photoAC)

2026年に3月27日に、同社より新サーバの提供を開始するとのメールによる連絡があった。

同社のサイトに特設ページが立ち上げられており、それによると、新サーバーの性能の向上は次のようになるとのことである。かなりの性能の向上であり、競合他社の同レベルのサーバーの向上を大きく上回ることになる。また、公表されていない不具合の解消やメンテナンスによるサイト停止時間の削減などもあり得るだろう。

【新サーバーの性能向上】

  • CPUにAMD社の第5世代 EPYC プロセッサーを採用し、演算効率が最大約 40 %向上
  • すべてのストレージで高速接続インターフェース「NVMe」に対応し、さらに高速な読み書きを可能とするストライピング構成を採用
  • 一般的な SSD(オール SSD やピュア SSD)と比較して最大 64 倍の読み込み速度を実現
  • 搭載メモリの容量を 1.5TB から 2.3TB に増強
  • サーバーあたりのvCPUコア数を「256コア」に拡張

なお、サーバーの速度向上は、そのままサイトの読み込み速度の向上につながるわけではない。すでにサーバーの速度はオーバースペック気味になっており、他にボトルネックになるものがあれば、それほど速度は改善されないこともあり得る(※)。

※ 誤解を恐れずきわめて単純化していえば、あるサイトが表示されるまで、サーバとクライアント間の通信に1秒かかり、一方サーバーの動作に 0.1 秒かかるため、全体で 1.1 秒で表示されるとしよう。この場合、サーバーの速度が2倍に改善されて 0.05 秒に動作時間が短縮されたとしても、全体では 1.05 秒が必要となり、それほどの大きな改善にはつながらない。CPU 速度が改善されても通信などに時間がとられると、それほどの速度改善にはつながらないのである。

しかし、サーバーが新しくなり、またメモリ容量に余裕ができたことで、そのサーバーにアクセスが集中したときに速度が遅くなりにくいというということは確実に言える。また、セキュリティや信頼性が向上していることも考えられる。

いずれにせよ、筆者の性格は、このような新しい技術は試してみないと気が済まないのである。


ウ サーバー移行ができないサイト

なお、次のようなサイトはサーバー移行ができないとのことであるが、当サイトはいずれにも該当しないと思われる。

【新サーバーに移行できないサイト】

  • 最新サーバー環境で非対応のPHPバージョンが選択されている場合
  • 独自SSLの発行申請中の場合
  • 「独自IPアドレスあり」の独自SSL設定が存在する場合
  • サーバー利用期限が1ヶ月以内の場合
  • その他、移行作業で引き継ぐことができない設定情報が存在する場合

PHPのバージョンが問題になるのは、WordPress などを利用していて PHP のバージョンアップをしていない場合であろうが、当サイトはそもそも PHP を利用していない。

SSL もエックスサーバー移行時にエックスサーバーに申請しているし、利用期限も問題はない。その他の理由の内容は明確ではないが、データ移行の申請時に自動的に判断されるようだ。

そこで、エックスサーバーから新サーバーの案内のメールが届いた翌日には、早速、サーバー移転を申し込んだ(サーバーパネルからの操作による)のである。


(2)新サーバーへの移行の手続き

ア 新サーバーへの移行の手続き

サーバーの移行手続きは極めて簡単である。①現行のサーバーからすべてのデータを新サーバーにコピーし、②必要に応じて新サーバーの動作を確認して、③DNS を切り替えれば完了である。


(ア)新サーバーへのデーターコピー
パソコンを操作する男性

※ イメージ図(©photoAC)

詳細な流れは「新サーバー簡単移行」に示されている。

また、実際の作業のやりかたは「新サーバー簡単移行 ご利用手順」にマニュアルが示されているので、その通りにすればよい。

まず、「エックスサーバーアカウント」にログインして、左側のメニューの「新サーバー簡単移行」をクリックし、移行するサイトを選択して「データコピー申請」をすればよい。

これで、現行サーバーと新サーバーに2つのサイトができることになる。筆者の場合、3月28日に申請し、3月 30 日の 20 時頃からデータコピーが始まり、21 時から移行の完了の手続きが可能になった(※)。

※ データコピー申請時のメールに、申し込みが殺到しており、移行には数日かかると記されていた。2024 年のときは、すぐにデータコピーが始まりあっけなく終了したが、このときはメールによる知らせを受けてから数日後であった。


(イ)新サーバーの動作確認

次に、新サーバーにコピーされたサイトデータが正常に動作されるかを確認する。その方法は、「WordPressなどのプログラムを使ったサイトの動作を確認する方法」に記載されている。筆者は、この確認は省略した。確かに、当サイトでは Perl を用いた掲示板システム等は利用しているが、最も普及している Perl5 のバージョンなので動かないとは思えなかったからである。


(ウ)DNS の切替え
パソコンの前でOKサインをする女性

※ イメージ図(©photoAC)

最後に、DNS を切り替える(※)のだが、ここも自動で行われる。「サーバー切り替え」に従って、「サーバー切り替え」ボタンをクリックするだけである。

※ DNS とは、インターネットの社会の案内役のようなサーバーである。

しばらくすると、「新サーバー簡単移行完了」のメールが来る。これで、サーバーは新サーバーに移行している(※)。

※ ただし、DNS のキャッシュの設定時間中は、旧サーバーが表示されるので、「新サーバー簡単移行完了」のメールが来ても、その後しばらくは表示されているサイトが旧サーバーのものである可能性がある。


イ メーラー(メールソフト)、FTP ソフトの設定変更など

サーバーが移行した以上、サーバー番号も変更になる。従って、メーラー(メールソフト)やFTP ソフトの設定変更も必要になる。これは、エックスサーバー側ではできないので、自分でやるしかない。


(ア)メーラー(メールソフト)

メールサーバーも新サーバーに移転するので、OUTLOOK などのメーラー(メールソフト)を用いている場合は、メーラーの設定のサーバー番号を新サーバーのものに変更する必要がある。そうしないと、新サーバに配送される新しいメールが読めないことになる(※)。

※ サーバーを切り替えたあとしばらくは、旧サーバーにメールが来ることがあるので注意する必要がある。


(イ)FTP ソフト

また、忘れがちなのが FTP ソフト(FileZilla、FFFTPなど)の設定変更である。FTP ソフトの設定で、パブリッシュ先のサーバー番号を変更しないと、新しくパブリッシュしたデータが旧サーバーにアップされてしまい(※)、新しいサーバーのデータが更新されないことになる。

※ サーバー移行完了から 14 日間は旧サーバーにもデータを残しておく設定のようだ。


(ウ)その他

その他、注意するべきこととして、掲示板などを使用している場合、データコピーが始まったあとで、移行完了までに掲示板に書き込みが行われると、その書き込みは移行後のサーバには反映されずに消えてしまうので留意する必要がある。書き込んだ利用者は、サイト管理者が意図的に削除したと誤解する可能性があるからだ。

筆者は、データコピーの申請を行う前に、サーバーの移転を行うので新たな書き込みをしないようにとの投稿を行い、移行が終わった後で、その旨の投稿を行った。


2.どの程度早くなったのか

(1)体感では確実に早くなった

2023 年1月にエックスサーバーにサーバー移転した後は、当サイトの表示速度は、ほとんど遅延時間が気にならない程度にはなっていた。ホテルの WiFi などで閲覧するとホテルの通信回線の状況によっては、表示速度が遅いということもあったが、これは他のサイトも同様であるからサイトやサーバーの問題ではない。

ある程度以上の優良なレンタルサーバーであれば、その性能は CMS を用いない当サイトのような静的なサイトにとっては、すでにオーバースペックになっており、ほとんどの場合他の要素によってサイトの表示速度が決まることとなる(※)。

※ WordPress を用いたサイトの場合は、サーバーの性能が影響するかもしれないが、最近ではほとんど気にならない程度にはなっている。

すなわち、サーバーの性能向上の目的は、通常時の表示速度の改善ではないと思った方が良い。

しかし、体感的には早くなったように感じる。当サイトには動画を置いてあるページもあるのだが、気にならない程度の時間で動画が表示されるようになっている。


(2)Google 社の PageSpeed Insightsによる測定

ア 移行前の測定結果

統計のイメージ

※ イメージ図(©photoAC)

次に、移行の前後で、トップページの表示速度がどのように変化したかの測定結果を示そう(※)。実際に測定してみると、それほど大きな変化はないようだ。

※ 測定結果というと、客観的なデータのように思えるかもしれないが、実際には測定のたびに結果はかなりばらつくし、測定するプログラムが、どのように評価しているのかによっても結果はかなり異なる。参考までにとどめて欲しい。

測定は、ごく一般的に使用されている Google 社の PageSpeed Insights を用いている。測定はデータコピーの申請の直後に行っている。

モバイルの測定結果

図のクリックで拡大します

それでは、最初に、移行前に測定した結果を示そう。まずはモバイルの表示速度である。パフォーマンスは 58 となった。早いとはいえないが平均以上である。Speed Index が 5.3 秒だが First Contentful Paint は6.6秒なので、やや遅いが現実にはこんなに時間は掛かっていない。体感的にはそれほどストレスは感じずに操作できるレベルである。

トップページがスライドショーなどで画像を多用している割には、まあ満足できるレベルではあったのかもしれない。

デスクトップの測定結果

図のクリックで拡大します

次は、デスクトップであるが、こちらのパフォーマンスは 88 で、改善の余地はあるもののとくに問題となるレベルではない。やや遅いとはいえ、ストレスを感じずに操作できるレベルだといえよう。

まあ、極端な画像効果を用いているわけではないので、この程度の速度は出るだろう。


イ 移行後の測定結果

次に移行後の測定結果を見てみよう。こちらは実際に移行作業を行った2日後の夕方に測定している。

移行後のモバイルの測定結果

図のクリックで拡大します

まずは、モバイルの測定結果である。58 から 58 と同じ数字となった。誤差の範囲ではあろうが、speed index も 7.2 秒から変化していない。

体感では、表示速度は改善されたように感じたのだが、数値にすると変わらなかった。ただ、測定の揺らぎのようなものと考えてよいだろう。

移行後のデスクトップの測定結果

図のクリックで拡大します

次にデスクトップの測定結果を見てみよう。こちらは 88 から 55 と大きく後退している。

とくに speed index が 1.2 秒から 2.8 秒と倍以上に遅くなっている。しかし、First Contentful Paint が移行の前後共に 1.0 秒で改善はされていないが、体感的には気にならなくなっている。


ウ サーバー移行前後の比較

サーバ移行の前後をまとめると次表のようになる。つまり、ほぼすべての項目で値が悪化したか変化しないかなのである。一部の指標では数値が改善しているものもあるが、ほぼ誤差の範囲内だろう。

WEB サイトの測定指標は、測定するごとにかなりばらつくので、これを見る限りでは表示速度が改善したとは言えないということであろう。

表 PageSpeed Insights の測定結果
項目 移行前 移行後
モ
バ
イ
ル
パフォーマンス 58 58
First Contentful Paint 6.6秒 6.5秒
Total Blocking Time 70ミリ秒 70ミリ秒
Speed Index 7.2秒 7.2秒
Largest Contentful Paint 12.8秒 12.3秒
Cumulative Layout Shift 0 0
デ
ス
ク
ト
ッ
プ
パフォーマンス 88 55
First Contentful Paint 0.8秒 0.8秒
Total Blocking Time 50ミリ秒 760ミリ秒
Speed Index 1.2秒 2.8秒
Largest Contentful Paint 1.0秒 1.1秒
Cumulative Layout Shift 0.198 0.194

※ 赤文字は悪い方の指標。

ただ、繰り返しになるが、サーバーの性能はすでに他の要因に比してオーバースペックなので、新サーバーに移行しても日常的な表示速度の改善につながるわけではないが、異常事態が発生したときの安全要素にはなるのであり、サーバー移行のメリットは大きいと言える。


3.最後に

パソコンを使用する女性

※ イメージ図(©photoAC)

新サーバーに移行して驚いたことがある。サーバー上の動作が極端に早くなっているのだ。

実は、サイトのすべてのページを書き変えようと考えたのである(※)。このような場合、サイトのすべてのページを圧縮して1つのファイルとし、そのファイルをサーバーにアップしてから解凍して、すべてのファイルを書き変えるという手法があり、この方法を用いたのである。

※ サーバーの移行とは関係はない。

すると、以前は、解凍してすべてのファイルを書き変えるまでにかなりの時間がかかっていたのだが、新サーバーでは、ほぼ一瞬でできてしまった。最初は、何かをミスしたのかと思ったほどである。それほど早かった。

確かに、これは、PageSpeed Insights の測定結果ではほとんど効果は出ていないが、サーバーの速度は確実に早くなっているのである。これは、閲覧が集中したときの速度低下のリスクを大きく減じることとなる。

一度、これを機に新サーバーに移行することをお勧めしたい。


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