衛生管理者試験未公表問の解説(1種・2種共通)

神経・感覚器




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 このページでは、衛生管理者試験(第1種・第2種)に出題された問題で、過去の公表問になかったとして、当サイトの掲示板に情報を頂いた設問に対する解説を行っています。

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2022年03月02日執筆 2022年06月03日最終修正

当サイトの掲示板に情報があった「神経・感覚器」に関する問についての解説です。

  • 【問】熱いものを触ったときに思わず手を引っ込める反射を屈曲反射という。(正誤は?)(2022年02月:ようこ様より)

    • 【解説及び解答例】
      反射とは、身体にある刺激を受けたときに、それを脳で判断するよりも前に、何らかの反応を起こす生理作用のことである。熱いものを触ったときに思わず手を引っ込める反射は、屈曲反射とか引っ込め反射などと呼ばれる。従って、本肢は「正しい」。
      熱いものを触って、熱いから手を離そうと考えて手を引っ込める場合は、情報は皮膚⇒脊髄⇒脳(判断)⇒脊髄⇒筋という流れで伝わる。反射では、情報が脳に伝わって判断する前に、脊髄が手を引っ込めるための指令を出す(皮膚⇒脊髄⇒筋)。
      なお、このような反応は脊髄が指示を出すので、脊髄反応とも呼ばれる。
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  • 【問】内臓痛という言葉があるように、痛みの場所がどこかが、はっきりわかる程度に内臓の神経は鋭敏である。(正誤は?)(2022年02月:ようこ様より)

    • 【解説及び解答例】
      いわゆる「痛さ」には体性痛と内臓痛に分類され、体性痛はさらに表面痛と深部痛に分類される。表面痛は皮膚に、深部痛は骨・筋肉・関節等に、内臓痛は文字通り内臓に起きる痛みである。
      体性痛は鋭い痛みで、痛みを感じる局在が明確である。一方の内臓痛は鈍い痛みで、局在は不明瞭で、原因となる部位から離れた場所に痛み(関連痛)を生じることがある。
      従って、本肢は誤っている。
      なお、内臓痛は、内臓平滑筋の痙縮や強い収縮(能動的収縮)、臓器皮膜の急激な強い伸展(受動的伸展)臓器局所や周囲組織の炎症、栄養血管の循環不全による虚血などによって発生する。
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  • 【問】脊髄は、表面が白質、深層が灰白質となっている。(正誤は?)(2022年05月:5/31受験様より)

    • 【解説及び解答例】
      脳と脊髄からなる中枢神経系の中で灰白質と呼ばれるのは、主に神経細胞(ニューロン)が集中しているところで、やや灰色がかって見える。一方、白質と呼ばれる部分は、主に神経細胞の軸索が集中しているところで、明るい白色をしている。コンピュータに例えれば、灰白質はFET(トランジスタの一種)の集まった情報処理を行うところ、白質は情報を伝える配線の集まったハーネスに当たるところである。
      大脳や小脳では灰白質は表層にあり、脊髄では深層にある。また、白質は、大脳、小脳では灰白質の内側にあり、脊髄では灰白質の外周部にある。従って、本肢は正しい肢となる。
      なお、中脳から脊髄上部にかけて、網様体と呼ばれる灰白質と白質が渾然となった領域も存在している。また、間脳、延髄などは、内部に灰白質も存在するが、ほとんどが白質のみからなっている。
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