衛生管理者試験未公表問の解説(1種)

化学物質による健康障害




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合格

 このページでは、衛生管理者試験(第1種)に出題された問題で、過去の公表問になかったとして、当サイトの掲示板に情報を頂いた設問に対する解説を行っています。

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 他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。過去問の解説は「衛生管理者試験 受験支援」から。

 掲示板に寄せられた設問の情報は、原則としてそのまま掲載しますが、意味を変えない範囲で修正を行っている場合があります。

 柳川及び掲示板へ情報を寄せられた方に著作権があることにご留意ください。

2022年03月03日執筆 2022年03月14日最終追記

当サイトの掲示板に情報があった「労基法による年少者の就業禁止業務」に関する問についての解説です。

  • 【問】カドミウムによる健康障害として、肺炎と上気道炎、腎機能障害がある(正誤は?)。(2022年02月:ようこ様より)

    • 【解説及び解答例】
      本肢は、過去問「2021年10月公表問題 問14」の(1)に出題された問題と同じである。
      カドミウムはいわゆる「イタイイタイ病」の原因となった物質であり、急性症例の主要症状には、上気道炎、肺炎や肺水腫による呼吸困難がある。また、長期曝露による慢性影響としては、腎臓への影響などが挙げられる。なお、骨軟化がみられることも覚えておく必要がある。本肢は正しい。
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  • 【問】有機溶剤による職業病の一つに黒皮症がある(正誤は?)。(2022年02月:2/8関東様より)

    • 【解説及び解答例】
      本肢は、過去問「2020年10月公表問題 問18」の(4)に出題された問題と同じである。
      有機溶剤は、様ざまな皮膚障害を引き起こすが、黒皮症がみられることはない。なお、黒皮症は砒素によって発症することがある。本肢は誤っている。
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  • 【問】ベリリウム中毒の症状として、溶血性貧血、尿の赤色化などがみられる。(正誤は?)。(2022年03月:九州で受けました様より)

    • 【解説及び解答例】
      急性ベリリウム症としては、氣管支炎、毛細氣管支炎、肺胞炎などの所見のある化学性肺炎や、比較的予後の良い金属熱がある。また、皮膚の潰瘍が起きることもある。
      慢性ベリリウム症としては、ベリリウム肺があり、またが気道腫瘍の原因となることや発がん性が強く疑われている。
      溶血性貧血や尿の赤色化などがみられるという報告はない。従って、本肢は誤りである。
      なお、溶血性貧血や尿の赤色化などがみられる物質としては、芳香族化合物のニトロ又はアミノ誘導体(※)がある。
      ※ アニシジン、アニリン、ジニトロベンゼン、ジメチルアニリン、TNT、トルイジンなど
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  • 【問】クロム酸又は重クロム酸による中毒の症状として、皮膚の腫瘍、鼻中隔穿孔、肺がんなどがみられる。(正誤は?)。(2022年03月:九州で受けました様より)

    • 【解説及び解答例】
      重クロム酸製造工場従業者やクロムメッキ作業者等に、皮膚の腫瘍、鼻中隔穿孔、肺がんなどがみられる。従って、本肢は正しい。
      なお、過去問の「2020年10月公表問題問20(第1種)」の(5)の解説を参照のこと。
      衛生管理者試験問題では、クロムとクロム酸・重クロム酸の区別をつけていないので、クロムの有害性は、クロム酸・重クロム酸を含めて回答する必要がある。
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