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このページは、衛生管理者試験問題(第1種)の過去問の中から「常温・常圧で蒸気として存在するもの」又は「常温・常圧での物質の状態」に関する問題をとりまとめて解説したものです。
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1 常温・常圧において蒸気として存在するもの
執筆日時:
最終改訂:
公表時期 | 年 月 |
17 04 |
17 10 |
18 04 |
18 10 |
19 04 |
19 10 |
20 04 |
20 10 |
21 04 |
21 10 |
22 04 |
22 10 |
23 04 |
23 10 |
24 04 |
24 10 |
重要性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第1種 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 中 |
(1)考え方
この設問の形式は、次のように常温・常圧で蒸気となり得るものを問う形式となっている。常温・状態における状態を問うものではないので誤解のないようにしたい。
【出題の形式】
問〇 次の化学物質のうち、常温・常圧(25℃、1気圧)の空気中で蒸気として存在するものはどれか。
ただし、蒸気とは、常温・常圧で液体又は固体の物質が蒸気圧に応じて揮発又は昇華して気体となっているものをいうものとする。
定番の問題である。この公表問題では、過去 12 回の公表問題で8回の出題実績がある。その意味では、落としたくない問題である。
蒸気とガスについては様ざまな定義があり、定義によってはどちらに該当するかが異なることもある。そのため、本問は但書で蒸気の定義を示している。そして、常温・常圧で液体又は固体の状態にならないものは蒸気ではないと言っている。常温・常圧で気体となっているものは、ガスであって蒸気ではないのである。従って、沸点が常温よりも高いものを選べばよいことになろう。
また、揮発とは物体の状態が液体から気体に変化することで、昇華とは固体から気体に代わることである。日常用語の「蒸発」は液体表面から気化する現象で、蒸気圧が気圧よりも高くなると「沸騰」して液体内部からも気化するようになる。
なお、ミストや湯気は液体であり、ヒュームは固体であって蒸気ではない。
(2)過去問の出題状況
過去12回で出題された物質は、以下の通りである。過去、12回の範囲では、正答は「蒸気として存在するもの」である。
ただし、最近は、正答に初出のものが出題されることもあるので、「蒸気として存在しないもの」も覚えておく必要がある。
このページの上にある「実際の出題問題」ボタンから、実際の出題例を確認しておいてほしい。
出題された物質 | 出題数 | 正答 |
---|---|---|
アンモニア | 7 | 蒸気として存在しない。 |
ジクロロベンジジン | 8 | 蒸気として存在しない。 |
塩化ビニル | 7 | 蒸気として存在しない。 |
アセトン | 4 | 蒸気として存在する。 |
二酸化硫黄 | 4 | 蒸気として存在しない。 |
ホルムアルデヒド | 3 | 蒸気として存在しない。 |
アクリロニトリル | 3 | 蒸気として存在する。 |
二硫化炭素 | 2 | 蒸気として存在する。 |
塩素 | 2 | 蒸気として存在しない。 |
クロム酸 | 2 | 蒸気として存在しない。 |
エチレンオキシド | 2 | 蒸気として存在しない。 |
二酸化マンガン | 2 | 蒸気として存在しない。 |
トリクロロエチレン | 1 | 蒸気として存在する。 |
硫化水素 | 1 | 蒸気として存在しない。 |
オルト-トリジン | 1 | 蒸気として存在しない。 |
2 常温・常圧における空気中の状態
公表時期 | 年 月 |
17 04 |
17 10 |
18 04 |
18 10 |
19 04 |
19 10 |
20 04 |
20 10 |
21 04 |
21 10 |
22 04 |
22 10 |
23 04 |
23 10 |
24 04 |
24 10 |
重要性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第1種 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 大 |
(1)考え方
このタイプの出題は、物質名と状態(ガス又は蒸気のいずれか)が示され、常温・常圧での状態として誤っているものを問うタイプである。
【出題の形式】
問〇 有害物質とその常温・常圧(25 ℃、1気圧)での空気中における状態との組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
ただし、ガスとは、常温・常圧で気体のものをいい、蒸気とは、常温・常圧で液体又は固体の物質が蒸気圧に応じて揮発又は昇華して気体となっているものをいうものとする。
(1)[物質名] ・・・ [状態(ガス又は蒸気)]
この種類の問題は、1で示したものと実質的に同種類であるといってよく、1又は2が出題されるのは、ほぼ毎年である。最近の出題の傾向は、1で示したタイプに変わりつつあるが、2023年10月は双方のタイプが出題されているので留意すること。
基本的な考え方は、1と同じである。
(2)過去問の出題状況
過去の出題状況は、以下の通りとなっている。1と同じ考え方で対応されたい。
出題された組合せ | 出題数 | 正答 |
---|---|---|
ホルムアルデヒド(ガス/蒸気) | 5 | ガスとなる。 |
アセトン(ガス/蒸気) | 5 | 蒸気となる。 |
フェノール(蒸気) | 3 | 蒸気となる。 |
アンモニア(ガス) | 2 | ガスとなる。 |
二硫化炭素(蒸気) | 3 | 蒸気となる。 |
アクリロニトリル(ガス/蒸気) | 2 | 蒸気となる。 |
塩化ビニル(ガス) | 2 | ガスとなる。 |
塩素(ガス) | 2 | ガスとなる。 |
硫化水素 | 1 | ガスとなる。 |
ニッケルカルボニル | 1 | 蒸気となる。 |
硫酸ジメチル(蒸気) | 1 | 蒸気となる。 |
二酸化硫黄(蒸気) | 1 | ガスとなる。 |
テトラクロロエチレン(蒸気) | 1 | 蒸気となる。 |
ナフタレン(蒸気) | 1 | 蒸気となる。 |