問30 ストレスに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)外部からの刺激であるストレッサーは、その形態や程度にかかわらず、自律神経系と内分泌系を介して、心身の活動を抑圧する。
(2)ストレスに伴う心身の反応には、ノルアドレナリン、アドレナリンなどのカテコールアミンや副腎皮質ホルモンが深く関与している。
(3)昇進、転勤、配置替えなどがストレスの原因となることがある。
(4)職場環境における騒音、気温、湿度、悪臭などがストレスの原因となることがある。
(5)ストレスにより、自律神経系と内分泌系のバランスが崩れ、精神神経科的疾患又は内科的疾患が生じる場合がある。

※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2025年10月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
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2025年10月公表問題 | 問30 | 難易度 | ストレスによる健康影響は過去問は多くはないが、今回の問題の肢はすべて過去問と同じものである。 |
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ストレスと健康 | 2 |
問30 ストレスに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)外部からの刺激であるストレッサーは、その形態や程度にかかわらず、自律神経系と内分泌系を介して、心身の活動を抑圧する。
(2)ストレスに伴う心身の反応には、ノルアドレナリン、アドレナリンなどのカテコールアミンや副腎皮質ホルモンが深く関与している。
(3)昇進、転勤、配置替えなどがストレスの原因となることがある。
(4)職場環境における騒音、気温、湿度、悪臭などがストレスの原因となることがある。
(5)ストレスにより、自律神経系と内分泌系のバランスが崩れ、精神神経科的疾患又は内科的疾患が生じる場合がある。
正答(1)
【解説】
(1)誤り。外部からの刺激であるストレッサーは、その形態や程度が過大なものや恒常的なもの等でなければ、自律神経系と内分泌系を介して、心身の活動をかえって活発化することもある。
(2)正しい。ストレスを受けることで分泌が増えるホルモンをストレスホルモンと呼び、「下垂体前葉ホルモンである副腎皮質刺激ホルモン、プロラクチン、また、下垂体後葉ホルモンであるバゾプレシン、オキシトシン、副腎皮質から分泌されるコルチゾール、レニン、そして副腎髄質から分泌されるアドレナリン、ノルアドレナリンなどがある」(※)。
※ ※ 歯科ナビ キーワード「ストレスホルモン」
(3)正しい。ストレスは環境の変化によって起きることがある。昇進のような喜ぶべきことでも、ストレッサーとなり得るし、転勤、配置替えなどもストレスの原因となることがある(※)。
※ 厚生労働省「心理的負荷による精神障害の認定基準」(令和5年9月1日基発 0901 第2号)の「別表1 業務による心理的負荷評価表」によれば、昇進、転勤、転勤・配置転換等も業務上の心理的負荷であるとされている。
(4)正しい。職場環境における騒音、気温、湿度、悪臭などがストレスの原因となり得ることは、武藤他(※)など多くの研究結果の示すところである。
※ 武藤剛「事務所衛生基準規則に関する研究―妥当性と国際基準との調和」
(5)正しい。ストレスにより、自律神経系と内分泌系のバランスが崩れ、精神神経科的疾患又は内科的疾患が生じる場合がある(※)。
※ 伊藤厚子「1.ストレスとは」(働く女性の心と体の応援サイト)など