第2種衛生管理者試験 2025年10月公表 問26

血液(赤血球、白血球、血液型など)




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2025年10月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2025年10月公表問題 問26 難易度 血液は過去の公表問題で頻出事項。過去問をややひねってあるが、ほぼ過去問の範囲で内で正答可能。
血液循環

問26 血液に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)赤血球は、骨髄で産生され、寿命は約 120 日で、血球の中で最も多い。

(2)血液中に占める赤血球の容積の割合をヘマトクリットといい、貧血になるとその値は低くなる。

(3)好中球は、白血球の約 60 %を占め、偽足を出してアメーバ様運動を行い、体内に侵入してきた細菌などを貪食する。

(4)リンパ球は、白血球の約 30 %を占め、Tリンパ球、Bリンパ球などの種類があり、免疫反応に関与している。

(5)ABO式血液型は、白血球による血液型分類の一つで、A型血液の血清は抗B抗体をもつ。

正答(5)

【解説】

(1)正しい。赤血球のみならず、ほとんどの白血球、血小板は骨髄で産生される。前段は正しい。また、赤血球が骨髄でつくられて脾臓で壊されるまでの寿命は約 120 日間(白血球の寿命は数時間から数日、血小板の寿命は約 10 日)であり後段も正しい。

(3)正しい。ヘマトクリットとは、厳密には血液中の全ての血球の体積の割合を示す数値であるが、血球の96%は赤血球なので、血液中に占める赤血球の容積の割合と考えてよい。貧血になるとその値は低くなる。

なお、ヘマトクリットの健康診断における基準値は男性では40~52%、女性では33~45%程度である。

(3)正しい。白血球は、顆粒球、単球及びリンパ球に分類され、顆粒球はさらに好中球、好酸球及び好塩基球に分類される。好中球は、白血球の約60%を占める。偽足を出してアメーバ様運動を行い、体内に侵入してきた細菌などを貪食する。

(4)正しい。リンパ球は白血球の約30%を占め、Tリンパ球、Bリンパ球及びNK細胞に分類される。Bリンパ球は、細菌やウィルスなどの侵入に対して抗体を作る役割を持つ。Tリンパ球は病原体を排除する働きをもつ。NK細胞は免疫細胞で、病原体に感染した細胞を攻撃する。

(5)誤り。本肢は過去問に例がある。ABO式血液型は、赤血球(抗原)の検査と血清(抗体)の検査によって血液型を分類する。白血球による血液型分類ではない。

なお、血清中には、A型は抗B、B型は抗A、O型は抗Aと抗Bの抗体を持つが、AB 型はどちらの抗体も持たない。これは赤血球についても同じで、赤血球上に、A型はA抗原、B型はB抗原、AB型はA抗原とB抗原を有し、O型はいずれの抗原もない。

2025年10月11日執筆