第2種衛生管理者試験 2025年10月公表 問23

ホルモン、その内分泌器官及びそのはたらき




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2025年10月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

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2025年10月公表問題 問23 難易度 このタイプの問題は過去に繰り返して出題されている。本年はいずれも過去問の肢で使われたものである。
ホルモン

問23 ヒトのホルモン、その内分泌器官及びそのはたらきの組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。

ホルモン 内分泌器官 はたらき
(1) コルチゾール   副腎皮質   血糖量の増加
(2) アルドステロン   副腎皮質   体液中の塩類バランスの調節
(3) メラトニン   副甲状腺   体液中のカルシウムバランスの調節
(4) インスリン   すい   血糖量の減少
(5) グルカゴン   すい   血糖量の増加

正答(3)

【解説】

ホルモンは内分泌器官で合成され、血管内に直接分泌されて体内に送られる。内分泌器官としては、視床下部、下垂体(脳下垂体)、松果体、副腎(皮質、髄質)、甲状腺、副甲状腺、膵臓、生殖腺(卵巣、胎盤、精巣)、消化管が挙げられる。ホルモンの種類はきわめて多いが、主要なものは押さえておいた方が良い。

(1)正しい。コルチゾールは副腎皮質で合成される。ストレスがかかったときに分泌され、血糖値を上げる作用がある。

(2)正しい。まず、アルドステロンが副腎皮質から分泌されることは正しい。そして、その働きは、腎臓の尿細管に作用してナトリウムの排出の抑制と、カリウムの排泄を促進し、体液中の塩類バランスの調節をする役割である。

(3)誤り。メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、自然な眠りを誘う作用がある。朝、光を浴びると分泌が止まり、14~16時間経つと再び分泌され、概日リズムを整える働きがある。脳の中心部にある松果体から分泌される。

なお、本肢はパラソルモンの解説であろう。パラソルモンは副甲状腺ホルモンで、もっとも重要な作用は、カルシトニン(甲状腺ホルモン)やビタミンDとともに血液中のカルシウム濃度を一定に保つことである。カルシトニンは血液中のカルシウム濃度を押さえる働きがあり、一方、パラソルモンは骨の再吸収により血清カルシウムを上昇させるとともに、腸からのカルシウムの吸収を促進して血液中のカルシウムを増やす働きがある。

(4)正しい。まず、インスリンが膵臓(ランゲルハンス島)で分泌されることは正しい。そして、その役割は、臓器が血糖をエネルギーやタンパク質の合成などに利用して血糖濃度の増加を押さえることである。ドラマや映画などで糖尿病の患者がインスリンの注射を打っているシーンを見かけることがあるが、これは血糖値を下げるためである。

(5)正しい。まず、グルカゴンは膵島のα細胞で作られる。そして、グルカゴンは血糖量の増加の作用を有する。

2025年10月11日執筆