第2種衛生管理者試験 2025年10月公表 問18

骨折及びその救急処置




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2025年10月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2025年10月公表問題 問18 難易度 骨折に関する出題は2024年4月以来。骨折に関してはやや古い過去問が再出題されることがある。
骨折と救急処置

問18 骨折及びその救急処置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)開放骨折のことを複雑骨折という。

(2)複雑骨折は、感染が起こりやすく治りにくい。

(3)骨折部を副子で固定するときには、骨折した部分が変形していても、そのままの状態を保持して、直近の関節部を含めた広い範囲を固定する。

(4)単純骨折とは、骨にひびが入った状態のことをいう。

(5)完全骨折では、骨折端どうしが擦れ合う軋轢あつれき音が認められることがある。

正答(4)

【解説】

(1)正しい。腕や足が骨折によって、折れた骨が皮膚を破って外に出る場合を 開放骨折又は複雑骨折という。。

(2)正しい。複雑骨折とは、周囲の組織も重大な損傷を受けている骨折のことである。骨に細菌が感染することで、感染が起こりやすく治りにくい。

(3)正しい。骨折部を副子で固定するときには、原則、傷病者の示している姿勢のまま固定し、たとえ変形していても矯正しない。また、直近の関節部を含めた広い範囲を固定する。

(4)誤り。単純骨折(閉鎖骨折)とは、皮膚が破れておらず骨が皮膚から飛び出していない骨折をいう。骨にひびの入った状態の場合もあるが、骨が連続性を失っている場合もある。

なお、骨にひびの入った状態を「不全骨折(又は不完全骨折)」、骨が連続性を失った状態を「完全骨折」と呼ぶ場合がある。

(5)正しい。完全骨折とは骨折により骨が離断している場合である。その骨折部位を押すと圧轢音を触知することがある。耳で聞こえる音ではなく触知する程度のことが多い。不完全骨折では、このような現象は認められない。

2025年10月11日執筆