第2種衛生管理者試験 2025年4月公表 問30

ホルモン及びその内分泌器官と役割




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2025年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

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2025年04月公表問題 問30 難易度 このタイプの問題は過去に8回出題されている。本年はいずれも過去問の肢で使われたものである。
ホルモン

問30 ヒトのホルモン、その内分泌器官及びそのはたらきの組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。

ホルモン 内分泌器官 はたらき
(1) セクレチン   十二指腸   消化液の分泌促進
(2) メラトニン   副腎髄質   体液中の塩類バランスの調節
(3) パラソルモン   副甲状腺   血中のカルシウム量の調節
(4) インスリン   すい   血糖量の減少
(5) グルカゴン   すい   血糖量の増加

正答(2)

【解説】

ホルモンは内分泌器官で合成され、血管内に直接分泌されて体内に送られる。内分泌器官としては、視床下部、下垂体(脳下垂体)、松果体、副腎(皮質、髄質)、甲状腺、副甲状腺、膵臓、生殖腺(卵巣、胎盤、精巣)、消化管が挙げられる。ホルモンの種類はきわめて多いが、主要なものは押さえておいた方が良い。

(1)正しい。セクレチンは小腸で合成される。十二指腸内が胃酸によって酸性になると、肝臓、膵臓、十二指腸からの重炭酸塩(塩基)の分泌を促進し、十二指腸内の胃酸を中和する役割を持つ。

(2)誤り。メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、自然な眠りを誘う作用がある。朝、光を浴びると分泌が止まり、14~16時間経つと再び分泌され、概日リズムを整える働きがある。脳の中心部にある松果体から分泌される。

なお、体液中の塩類バランスの調節の役割を持つホルモンは「坑利尿ホルモン」である。

(3)正しい。パラソルモンは副甲状腺ホルモンで、様々な働きをするが、骨の再吸収により血清カルシウムを上昇させる働きなどがある。

(4)正しい。まず、インスリンが膵臓(ランゲルハンス島)で分泌されることは正しい。そして、その役割は、臓器が血糖をエネルギーやタンパク質の合成などに利用して血糖濃度の増加を押さえることである。ドラマや映画などで糖尿病の患者がインスリンの注射を打っているシーンを見かけることがあるが、これは血糖値を下げるためである。

(5)正しい。まず、グルカゴンは膵島のα細胞で作られる。そして、グルカゴンは血糖量の増加の作用を有する。

2025年04月15日執筆

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