問29 免疫に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)抗原とは、免疫に関係する細胞によって異物として認識される物質のことである。
(2)抗原となる物質には、蛋白質、糖質などがある。
(3)抗体とは、体内に入ってきた抗原に対して体液性免疫において作られる免疫グロプリンと呼ばれる蛋白質のことである。
(4)好中球は白血球の一種であり、偽足を出してアメーパ様運動を行い、体内に侵入してきた細菌などを食食する。
(5)リンパ球には、血液中の抗体を作るTリンパ球と、細胞性免疫の作用を持つBリンパ球がある。
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2024年10月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
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2024年10月公表問題 | 問29 | 難易度 | 免疫等に関するやや高度な知識問題。しかし、過去問の学習で完全に正答できる。 |
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免疫と抗原 | 3 |
問29 免疫に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)抗原とは、免疫に関係する細胞によって異物として認識される物質のことである。
(2)抗原となる物質には、蛋白質、糖質などがある。
(3)抗体とは、体内に入ってきた抗原に対して体液性免疫において作られる免疫グロプリンと呼ばれる蛋白質のことである。
(4)好中球は白血球の一種であり、偽足を出してアメーパ様運動を行い、体内に侵入してきた細菌などを食食する。
(5)リンパ球には、血液中の抗体を作るTリンパ球と、細胞性免疫の作用を持つBリンパ球がある。
正答(5)
【解説】
(1)正しい。抗原(antigen)とは、ヒトの体内に入って免疫反応を起こす非自己的な物質のことである。
(2)正しい。様々な物質や微生物が抗原となり、抗原となる物質には、蛋白質、糖、毒素の他、様々な有機物や無機物も含まれる。なお、細菌やウイルスの表面に存在する蛋白質や糖質なども抗原となる。
(3)正しい。抗体とは、体内に入ってきた抗原に対して体液性免疫において作られる免疫グロブリンと呼ばれる蛋白質のことである。
(4)正しい。好中球は白血球の一種で、白血球全体の約 45 ~ 75 %を占め、強い貪食能力を持つ。病原微生物等を感知するとその方向に偽足(仮足)を伸ばして、病原微生物を貪食し、活性酸素を産生することでその除去を行う。
(5)誤り。白血球は、顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)、単球、リンパ球(Tリンパ球、Bリンパ球、NK細胞など)に分類される。Bリンパ球は病原微生物等の侵入に対して抗体をつくる液性免疫の作用があり、Tリンパ球は自ら病原微生物等を攻撃する細胞性免疫の作用がある。
本紙は、Tリンパ球とBリンパ球の説明が逆になっている。