第2種衛生管理者試験 2024年10月公表 問13

情報機器作業の労働衛生管理ガイドライン




問題文
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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2024年10月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2024年10月公表問題 問13 難易度 情報機器作業のガイドラインに関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。
情報機器ガイドライン

問13 厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」基づく措置に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)ディスプレイは、おおむね 50cm の視距離が確保できるようにしている。

(2)間接照明の照明器具を用いてグレアを防ぐようにしている。

(3)一連続作業時聞が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの聞に5分の作業休止時間を設けている。

(4)情報機器作業に係る定期健康診断は、1年以内ごとに1回、定期に実施している。

(5)1日の情報機器作業の作業時聞が4時間未満である労働者については、自覚症状を訴える者についてのみ、情報機器作業に係る定期健康診断の対象としている。

正答(3)

【解説】

本問は、問題文から明らかなように、「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(令和元年7月12日基発0712第3号令和3年12月1日基発1201第7号)に関する問題である。

(1)適切ではないとは言えない。ガイドラインは、「5 作業管理」の「ロ ディスプレイ」の(イ)において「おおむね 40cm 以上の視距離が確保できるようにし、この距離で見やすいように必要に応じて適切な眼鏡による矯正を行うこと」としている。

(2)適切ではないとは言えない。ガイドラインは、「4 作業環境管理」の「(1)照明及び採光」のニにおいて、「間接照明等のグレア防止用照明器具を用いること」としている。

(3)適切ではない。ガイドラインは5の(1)の「ロ 一連続作業時間及び作業休止時間」において「一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に 10 分~ 15 分の作業休止時間を設け、かつ、一連続作業時間内において1回~2回程度の小休止を設けるよう指導すること」としている。

(4)適切ではないとは言えない。ガイドラインの「7 健康管理」の(1)の「ロ 定期健康診断」において、「情報機器作業を行う作業者の配置後の健康状態を定期的に把握し、継続的な健康管理を適正に進めるため、情報機器作業の作業区分に応じて、別紙に定める作業者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、次の項目について必要な調査又は検査を実施すること」とされている。

情報機器作業に係る定期健康診断は、6月に1回ではないので留意しよう。とはいえ、衛生管理者試験を受ける受験生の多くは、この健康診断を受けたことがあるだろうから、自らの体験としてこのことは知っていることが多いだろう。

(5)適切ではないとは言えない。情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインの「別紙」によれば、1日の情報機器作業の作業時間が4時間未満である労働者については、自覚症状を訴える者のみが情報機器作業に係る定期健康診断の対象とされている。

2024年10月18日執筆