第2種衛生管理者試験 2024年4月公表 問30

体温調節の仕組み




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2024年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2024年4月公表問題 問30 難易度 体温調節は久々の出題。しかし、基本的な問題であり、確実に正答できるようにしておこう。
体温調節の仕組み

問30 体温調節に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)体温調節中枢は、間脳の視床下部にある。

(2)体温調節のように、外部環境が変化しても身体内部の状態を一定に保つ生体の仕組みを同調性といい、筋肉と神経系により調整されている。

(3)寒冷な環境においては、皮膚の血管が拡張して血流量を増し、皮膚温を上昇させる。

(4)計算上、体重70kgの人の体表面から10gの汗が蒸発すると、体温が約1℃下がる。

(5)不感蒸せつとは、水分が発汗により失われることをいう。

正答(1)

【解説】

(1)正しい。体温調節に関わる自律神経系の中枢は視床下部にある(体温調節機能は視床下部最吻側に位置する視索前野にある)。

(2)誤り。体温調節のように、外部環境が変化しても身体内部の状態を一定に保つ生体の仕組みを「恒常性」という。

(3)誤り。寒冷な環境においては、皮膚の血管が収縮して血流量を減らし、血液から熱が逃げる量を減らす。

(4)誤り。汗が蒸発すると、気化熱によって体の熱を奪って体温を下げる。水の気化熱は1gにつき約0.58kcalであるから、10gの汗は約5.8kcalの熱を奪う。一方、人体の比熱は約0.83であり、体重70kgの人の熱容量は70×0.83=58.1kcalとなる。従って、汗が10g蒸発すると、計算上体温は0.1℃下がる。もちろん、これは計算上のことであって、実際には0.1℃も下がらない。

(5)誤り。不感蒸泄とは、発汗以外の皮膚および呼気からの水分喪失をいう。文献によっては、皮膚からの蒸散のみを指すとするものもある。不感蒸泄の量は、条件により変動するが、常温安静時には健常成人で1日に約900ml(皮膚から約600ml,呼気による喪失分が約300ml)程度と言われる。

2024年04月16日執筆

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