第2種衛生管理者試験 2024年4月公表 問29

ストレス




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2024年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2024年4月公表問題 問29 難易度 ストレスに関する知識問題。内容は常識問題レベル。確実に正答できなければならない。
ストレスによる健康影響

問29 ストレスに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)外部からの刺激であるストレッサーは、その形態や程度にかかわらず、自律神経系と内分泌系を介して、心身の活動を抑圧する。

(2)ストレスに伴う心身の反応には、ノルアドレナリン、アドレナリンなどのカテコールアミンや副腎皮質ホルモンが深く関与している。

(3)昇進、転勤、配置替えなどがストレスの原因となることがある。

(4)職場環境における騒音、気温、湿度、悪臭などがストレスの原因となることがある。

(5)ストレスにより、高血圧症、狭心症、十二指腸潰瘍などの疾患が生じることがある。

正答(1)

【解説】

(1)誤り。外部からの刺激であるストレッサーは、その形態や程度が過大なものや恒常的なもの等でなければ、自律神経系と内分泌系を介して、心身の活動をかえって活発化することもある。

(2)正しい。ストレスを受けることで分泌が増えるホルモンをストレスホルモンと呼び、「下垂体前葉ホルモンである副腎皮質刺激ホルモン、プロラクチン、また、下垂体後葉ホルモンであるバゾプレシン、オキシトシン、副腎皮質から分泌されるコルチゾール、レニン、そして副腎髄質から分泌されるアドレナリン、ノルアドレナリンなどがある(※)

※ 歯科ナビ キーワード「ストレスホルモン

(3)正しい。ストレスは環境の変化によって起きることがある。昇進のような喜ぶべきことでも、ストレッサーとなり得るし、転勤、配置替えなどもストレスの原因となることがある。

(4)正しい。職場環境における騒音、気温、湿度、悪臭などがストレスの原因となり得ることは、武藤他(※)など多くの研究結果の示すところである。

※ 武藤剛「事務所衛生基準規則に関する研究―妥当性と国際基準との調和

(5)正しい。ストレスを受けていると、高血圧症になりやすいことはフラミンガム研究など様々な調査で認められている。また、冠状動脈硬化症のような心臓病の患者がストレスを受けると、脈が増えて血圧が上昇するために心臓の酸素必要量が増加するのに血液の供給が対応できず、心臓が酸素不足になって狭心症発作を起こすことがある。また、十二指腸潰瘍は、胃液の分泌と粘液の分泌のバランスが崩れて生じることがあり、ストレスが誘因となっていることが多い。

2024年04月16日執筆