第2種衛生管理者試験 2022年10月公表 問27

神経系の働き




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2022年10月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2022年10月公表問題 問27 難易度 神経に関する問題は頻出だが、今回のタイプは初出である。その意味でやや難問か。
神経系の働き

問27 神経系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)神経細胞(ニューロン)は、神経系を構成する基本的な単位で、通常、1個の細胞体、1本の軸索及び複数の樹状突起から成る。

(2)脊髄では、中心部が灰白質であり、その外側が白質である。

(3)大脳では、内側の髄質が白質であり、外側の皮質が灰白質である。

(4)体性神経には感覚器官からの情報を中枢に伝える感覚神経と、中枢からの命令を運動器官に伝える運動神経がある。

(5)交感神経系は、心拍数を増加し、消化管の運動をこう進する。

正答(5)

【解説】

(1)正しい。神経細胞(ニューロン)は、神経系を構成する基本的な単位で、通常、1個の細胞体、1本の軸索及び複数の樹状突起からなる。

なお、網膜にあるアマクリン細胞のように軸索を持たないものや、まれに軸索が分岐する者も存在している。

(2)正しい。脊髄では、中心部が灰白質であり、その外側が白質である。なお、白質とは、神経細胞の軸索が集まっている部分で、大脳や小脳では深層部にあり、脊髄では表層にある。灰白質は神経細胞の細胞体が集まっている場所であり、大脳や小脳では表層部を占め、脊髄では深層にある。

(3)正しい。大脳では、(2)の開設に示した通り、内側の髄質が白質であり、外側の皮質が灰白質である。

(4)正しい。体性神経には感覚器官からの情報を中枢に伝える感覚神経と、中枢からの命令を運動器官に伝える運動神経がある。

(5)誤り。交感神経系は、心拍数を増加するが、消化管の運動や分泌は抑制する。消化管の運動をこう進(促進)するのは副交感神経である(※)

※ 名古屋ハートセンター「自律神経と心臓の関係」に分かりやすい説明がある。

2022年10月10日執筆