問13 暑熱環境の程度を示すWBGTに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)WBGTは、気温、湿度及び気流の三つの要素から暑熱環境の程度を示す指標として用いられ、その単位は気温と同じ℃で表される。
(2)日射がある場合のWBGT値は、自然湿球温度、黒球温度及び気温(乾球温度)の値から算出される。
(3)WBGTには、基準値が定められており、WBGT値がWBGT基準値を超えている場合は、熱中症にかかるリスクが高まっていると判断される。
(4)WBGT基準値は、身体に対する負荷が大きな作業の方が、負荷が小さな作業より小さな値となる。
(5)WBGT基準値は、暑熱順化者に用いる値の方が、暑熱非順化者に用いる値より大きな値となる。
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2022年10月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
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2022年10月公表問題 | 問13 | 難易度 | WBGTの過去問は出題形態は多様だが頻出事項である。確実に正答できるようにしておこう。 |
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WBGT | 3 |
問13 暑熱環境の程度を示すWBGTに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)WBGTは、気温、湿度及び気流の三つの要素から暑熱環境の程度を示す指標として用いられ、その単位は気温と同じ℃で表される。
(2)日射がある場合のWBGT値は、自然湿球温度、黒球温度及び気温(乾球温度)の値から算出される。
(3)WBGTには、基準値が定められており、WBGT値がWBGT基準値を超えている場合は、熱中症にかかるリスクが高まっていると判断される。
(4)WBGT基準値は、身体に対する負荷が大きな作業の方が、負荷が小さな作業より小さな値となる。
(5)WBGT基準値は、暑熱順化者に用いる値の方が、暑熱非順化者に用いる値より大きな値となる。
正答(1)
【解説】
本問は、令和3年4月20日基発0420第3号「職場における熱中症予防基本対策要綱の策定について」(以下、本問の解説において「新通達」と略す。)からの出題である。
しかし、新通達によって廃止された平成17年7月29日基安発第0729001号「熱中症の予防対策におけるWBGTの活用について」(以下、本問の解説において「旧通達」と略す。)からも出題されている。
この解説は、新通達の別紙「職場における熱中症予防基本対策要綱」(以下「要綱」という。)によって解説しているが、必要に応じ旧通達にも触れている。
(1)誤り。旧通達によれば、気温に加え、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮して総合的に評価する指標であるとされていた。本肢は、WBGTは、輻射(放射)熱が抜けていることで誤りである。
なお、要綱にはこのような表現はないが、WBGTが上記の4つを考慮している(風速は湿球温度計により間接的に評価)ことは正しい。また、WBGTの単位が気温と同じ℃で表されることは正しい。
(2)正しい。日射がある場合のWBGT値は、自然湿球温度、黒球温度及び気温(乾球温度)の値から次式によって算出される。
WBGT=0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
(3)正しい。要綱の表1-1に「身体作業強度等に応じた WBGT 基準値」が示されている。測定したWBGT値がWBGT基準値を超えている場合は、熱中症にかかるリスクが高まっていると判断される。
(4)正しい。要綱の表1-1に「身体作業強度等に応じた WBGT 基準値」によれば、WBGT基準値は、身体に対する負荷が大きな作業の方が、負荷が小さな作業より小さな値となる。
(5)正しい。要綱の表1-1に「身体作業強度等に応じた WBGT 基準値」によれば、WBGT基準値は、熱に順化している人に用いる値の方が、熱に順化していない人に用いる値より大きな値となる。