問28 ホルモン、その内分泌器官及びそのはたらきの組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
ホルモン | 内分泌器官 | はたらき | |||
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(1) | コルチゾール | 副腎皮質 | 血糖量の増加 | ||
(2) | アルドステロン | 副腎皮質 | 体液中の塩類バランスの調節 | ||
(3) | メラトニン | 副甲状腺 | 体液中のカルシウムバランスの調節 | ||
(4) | インスリン | 膵臓 | 血糖量の減少 | ||
(5) | アドレナリン | 副腎髄質 | 血糖量の増加 |
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2022年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
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2022年04月公表問題 | 問28 | 難易度 | 一見すると高度な内容のように見えるが、実は常識問題である。確実に正答できなければならない。 |
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ホルモン | 2 |
問28 ホルモン、その内分泌器官及びそのはたらきの組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
ホルモン | 内分泌器官 | はたらき | |||
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(1) | コルチゾール | 副腎皮質 | 血糖量の増加 | ||
(2) | アルドステロン | 副腎皮質 | 体液中の塩類バランスの調節 | ||
(3) | メラトニン | 副甲状腺 | 体液中のカルシウムバランスの調節 | ||
(4) | インスリン | 膵臓 | 血糖量の減少 | ||
(5) | アドレナリン | 副腎髄質 | 血糖量の増加 |
正答(3)
【解説】
ホルモンは内分泌器官で合成され、血管内に直接分泌されて体内に送られる。内分泌器官としては、視床下部、下垂体(脳下垂体)、松果体、副腎(皮質、髄質)、甲状腺、副甲状腺、膵臓、生殖腺(卵巣、胎盤、精巣)、消化管が挙げられる。ホルモンの種類はきわめて多いが、主要なものは押さえておいた方が良い。
(1)正しい。本肢のコルチゾールは「ストレスホルモン」とも呼ばれ、ストレスがかかったときに分泌される。一般には、ストレスがかかった状態では、血糖値を上げて血圧を高くして身体にエネルギーを送り、外部の状況に対処できるようにした方が良い。そのため、コルチゾールには血糖値を上げる作用がある。
なお、血糖値を上昇させる作用があるホルモンには、この他、副腎皮質ホルモンであるアルドステロン、副腎髄質ホルモンであるカテコールアミン、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、グルカゴン、ソマトスタチンなど多くの種類がある。これらは、肝臓の糖新生を促進する作用があり、血糖値を上昇させる。
一方、血糖値を下げるホルモンはインスリンしかない。
(2)正しい。アルドステロンは副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンの一種で、腎臓の尿細管に作用してナトリウムの排出の抑制と、カリウムの排泄を促進し、体液中の塩類バランスの調節をする役割を持つ。
(3)誤り。メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、自然な眠りを誘う作用がある。朝、光を浴びると分泌が止まり、14~16時間経つと再び分泌され、概日リズムを整える働きがある。脳の中心部にある松果体から分泌される。
なお、本肢はパラソルモンの解説であろう。パラソルモンは副甲状腺ホルモンで、もっとも重要な作用は、カルシトニン(甲状腺ホルモン)やビタミンDとともに血液中のカルシウム濃度を一定に保つことである。カルシトニンは血液中のカルシウム濃度を押さえる働きがあり、一方、パラソルモンは骨の再吸収により血清カルシウムを上昇させるとともに、腸からのカルシウムの吸収を促進して血液中のカルシウムを増やす働きがある。
(4)正しい。インスリンが膵臓のランゲルハンス島で産出されることは正しい。また、その役割は、臓器が血糖をエネルギーやタンパク質の合成などに利用して血糖濃度の増加を押さえる役割を果たすことである。ドラマや映画などで糖尿病の患者がインスリンの注射を打っているシーンを見かけることがあるが、これは血糖値を下げるためである。
(5)正しい。アドレナリンが副腎髄質から分泌されることは正しい。また、アドレナリンは、肝臓におけるグリコーゲンをグルコースに変える反応を促進する。従って、血糖値を増加させる。