問16 厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」に基づく腰痛予防対策に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)作業動作、作業姿勢についての作業標準の策定は、その作業に従事する全ての労働者に一律な作業をさせることになり、個々の労働者の腰痛の発生要因の排除又は低減ができないため、腰痛の予防対策としては適切ではない。
(2)重量物取扱い作業の場合、満18歳以上の男性労働者が人力のみにより取り扱う物の重量は、体重のおおむね50%以下となるようにする。
(3)重量物取扱い作業の場合、満18歳以上の女性労働者が人力のみにより取り扱う物の重量は、男性が取り扱うことのできる重量の60%位までとする。
(4)重量物取扱い作業に常時従事する労働者に対しては、当該作業に配置する際及びその後1年以内ごとに1回、定期に、医師による腰痛の健康診断を行う。
(5)腰部保護ベルトは、重量物取扱い作業に従事する労働者全員に使用させるようにする。
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2022年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。
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2022年04月公表問題 | 問16 | 難易度 | 腰痛予防対策指針に関する基本的な知識問題。頻出事項であり確実に正答できなければならない。 |
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腰痛予防対策指針 | 5 |
問16 厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」に基づく腰痛予防対策に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)作業動作、作業姿勢についての作業標準の策定は、その作業に従事する全ての労働者に一律な作業をさせることになり、個々の労働者の腰痛の発生要因の排除又は低減ができないため、腰痛の予防対策としては適切ではない。
(2)重量物取扱い作業の場合、満18歳以上の男性労働者が人力のみにより取り扱う物の重量は、体重のおおむね50%以下となるようにする。
(3)重量物取扱い作業の場合、満18歳以上の女性労働者が人力のみにより取り扱う物の重量は、男性が取り扱うことのできる重量の60%位までとする。
(4)重量物取扱い作業に常時従事する労働者に対しては、当該作業に配置する際及びその後1年以内ごとに1回、定期に、医師による腰痛の健康診断を行う。
(5)腰部保護ベルトは、重量物取扱い作業に従事する労働者全員に使用させるようにする。
正答(3)
【解説】
本問は、問題文から明らかなように、職場における腰痛予防対策指針(以下、本問の解説中において「指針」という。)からの出題である。
指針の、基本的なところは押さえておくようにしたい。なお、指針は、2013年(平成25年)6月に改訂されているが、検索すると古い指針がヒットすることがあるので留意すること。
(1)誤り。指針の「2 作業管理」の「(4)作業標準」では、「腰痛の発生要因を排除又は低減できるよう、作業動作、作業姿勢、作業手順、作業時間等について、作業標準を策定すること
」とされている。
(2)誤り。指針の「作業態様別の対策」の「1 重量物取扱い作業」の項では、「満18歳以上の男子労働者が人力のみにより取り扱う物の重量は、体重のおおむね 40%以下となるように努めることと」されている。
(3)正しい。指針の「作業態様別の対策」の「1 重量物取扱い作業」の項では、「満18歳以上の女子労働者では、さらに男性が取り扱うことのできる重量の60%位までとすること」とされている。
(4)誤り。指針は「重量物取扱い作業、介護・看護作業等腰部に著しい負担のかかる作業に常時従事する労働者に対しては、当該作業に配置する際及びその後6月以内ごとに1回、定期に、(中略)医師による腰痛の健康診断を実施すること」とされている。特殊健康診断は、通達によるものであっても6月以内ごとに1回とされているものが多い。
(5)誤り。指針は、「腰部保護ベルトは、個人により効果が異なるため、一律に使用するのではなく、個人毎に効果を確認してから使用の適否を判断すること」としている。腰痛予防ベルトは、取り扱いを誤ると、かえって腰痛のリスクを増すことがあることに留意するべきである。