第2種衛生管理者試験 2022年4月公表 問05

労働安全衛生規則の衛生基準




問題文
トップ
受験勉強に打ち込む

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2022年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、下表の左欄、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2022年04月公表問題 問05 難易度 安衛則の衛生基準に関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。
安衛則の衛生基準

問5 事業場の建築物、施設等に関する措置について、労働安全衛生規則の衛生基準に違反していないものは次のうちどれか。

(1)日常行う清掃のほか、1年に1回、定期に、統一的に大掃除を行っている。

(2)男性25人、女性25人の労働者を常時使用している事業場で、労働者が床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けていない。

(3)60人の労働者を常時就業させている屋内作業場の気積が、設備の占める容積及び床面から4mを超える高さにある空間を除き、500mとなっている。

(4)事業場に附属する食堂の床面積を、食事の際の1人について、0.8m2としている。

(5)労働衛生上の有害業務を有しない事業場において、窓その他の開口部の直接外気に向って開放することができる部分の面積が、常時床面積の15分の1である屋内作業場に、換気設備を設けていない。

正答(5)

【解説】

安衛則の衛生基準は必ず出題される。いささか細かなことを問われるが、過去問を押さえておけば正答可能である。完全な知識問題なので、覚えておくしかない。

掃除の頻度、休憩室の要件、トイレ(今回は省令改正の直後なので出題されていないが、なぜか便房の数が問われることが多い)。自分の事業場が違反状態でないかどうかを考えながら覚えると覚えやすいかもしれない。

(1)安衛則第619条に違反している。大掃除は6月以内ごとに1回行わなければならない。あなたの事業場では、半年に一回、大掃除を行っていますか? やっていないと違反になる。試験までに覚えておこう。

【労働安全衛生規則】

(清掃等の実施)

第619条 事業者は、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

 日常行う清掃のほか、大掃除を、6月以内ごとに1回、定期に、統一的に行うこと。

二及び三 (略)

(2)安衛則第618条に違反している。男女合わせて50人、女性25人なので安衛則第618条に違反している。覚えておくのは、「常時50人以上又は常時女性30人以上」「労働者がが床することのできる」「男性用と女性用に区別して」の3箇所。なお、「が床」とは横になれるということ。会社ができた当初は守られていても、誰も条文を覚えていないと、物置に改造されて違反状態になっていることがよくある。

【労働安全衛生規則】

(休養室等)

第618条 事業者は、常時50人以上又は常時女性30人以上の労働者を使用するときは、労働者がが床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない。

(3)安衛則第600条に違反している。60人の労働者を常時就業させている屋内作業場の気積については、設備の占める容積及び床面から4mを超える高さにある空間を除き、600m以上としなければならない。

【労働安全衛生規則】

(気積)

第600条 事業者は、労働者を常時就業させる屋内作業場の気積を、設備の占める容積及び床面から四メートルをこえる高さにある空間を除き、労働者一人について、十立方メートル以上としなければならない。

(4)安衛則第630条第二号に違反している。床面積は通路も入れてのことである。0.8m2では、やや狭すぎるだろう。

【労働安全衛生規則】

(食堂及び炊事場)

第630条 事業者は、事業場に附属する食堂又は炊事場については、次に定めるところによらなければならない。

 (略)

 食堂の床面積は、食事の際の1人について、1m2以上とすること。

三から十 (略)

十一 炊事従業員専用の休憩室及び便所を設けること。

十二から十五 (略)

(5)違反していない。安衛則第601条第1項に適合している。なお、開放することができる窓等の面積が、床面積の20分の1未満では換気装置を設けなければならないことは覚えておくこと。

【労働安全衛生規則】

(換気)

第601条 事業者は、労働者を常時就業させる屋内作業場においては、窓その他の開口部の直接外気に向つて開放することができる部分の面積が、常時床面積の20分の1以上になるようにしなければならない。ただし、換気が十分行なわれる性能を有する設備を設けたときは、この限りでない。

 (略)

2022年04月08日執筆