第2種衛生管理者試験 2021年10月公表 問19

情報機器作業の労働衛生管理ガイドライン




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合格

 このページは、試験協会が2021年10月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2021年10月公表問題 問19 難易度 情報機器作業のガイドラインに関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。
情報機器ガイドライン

問19 厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)ディスプレイ画面上における照度は、500ルクス以下となるようにしている。

(2)ディスプレイ画面の位置、前後の傾き、左右の向き等を調整してグレアを防止している。

(3)ディスプレイは、おおむね30cm以内の視距離が確保できるようにし、画面の上端を眼の高さよりもやや下になるように設置している。

(4)1日の情報機器作業の作業時間が4時間未満である労働者については、自覚症状を訴える者についてのみ、情報機器作業に係る定期健康診断の対象としている。

(5)情報機器作業に係る定期健康診断を、1年以内ごとに1回、定期に実施している。

正答(3)

【解説】

本問は、問題文から明らかなように、「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(令和元年7月12日基発0712第3号令和3年12月1日基発1201第7号)に関する問題である。

ただし、本問は2021年(令和3年)12月の改正前の通達によって出題されている。

(1)適切であるとしてよい。ガイドラインは、照度について「ディスプレイを用いる場合の書類上及びキーボード上における照度は 300 ルクス以上とし、作業しやすい照度とすること。また、ディスプレイ画面の明るさ、書類及びキーボード面における明るさと周辺の明るさの差はなるべく小さくすること」としている。

なお、この部分は2021年の改正前は「ディスプレイを用いる場合のディスプレイ画面上における照度は500ルクス以下、書類上及びキーボード上における照度は300ルクス以上とすること」とされていた。

(2)適切である。ガイドラインは、「4 作業環境管理」の「(1)照明及び採光」のホにおいて、「その他グレアを防止するための有効な措置を講じること」としている。

なお、ガイドラインの解説において「ディスプレイを置く位置を工夫して、グレアが生じないようにする必要がある」とされている。

(3)適切ではない。ガイドラインは、「5 作業管理」の「ロ ディスプレイ」の(イ)において「おおむね 40cm 以上の視距離が確保できるようにし、この距離で見やすいように必要に応じて適切な眼鏡による矯正を行うこと」としている。「おおむね30cm以内の視距離が確保できるようにし」としている本肢は適切ではない。

なお、ガイドラインの同(ロ)において「ディスプレイは、その画面の上端が眼の高さとほぼ同じか、やや下になる高さにすることが望ましい」としており、本肢の「画面の上端を眼の高さよりもやや下になるように設置している」ことは適切である。

(4)適切である。ガイドラインは「9 情報機器作業の作業区分に応じて実施する事項」において、「作業時間又は作業内容に相当程度拘束性があると考えられるもの」については「定期健康診断を、全ての対象者に実施すること」としている。

そして、それ以外のものについては、「自覚症状を訴える者のみ健診対象」とすることとしている。

ここにいう「作業時間又は作業内容に相当程度拘束性があると考えられるもの」については、ガイドラインの別紙に「情報機器作業の作業区分」の表が示されており、「1日に 4 時間以上情報機器作業を行う者」であって一定の要件を満たす者とされている。従って、本肢の「1日の情報機器作業の作業時間が4時間未満である労働者」が「作業時間又は作業内容に相当程度拘束性があると考えられるもの」に該当することはない。

従って、本肢はガイドラインの内容に沿っている。

(5)適切である。ガイドラインの「7 健康管理」の(1)の「ロ 定期健康診断」において、「情報機器作業を行う作業者の配置後の健康状態を定期的に把握し、継続的な健康管理を適正に進めるため、情報機器作業の作業区分に応じて、別紙に定める作業者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、次の項目について必要な調査又は検査を実施すること」とされている。

情報機器作業に係る定期健康診断は、6月に1回ではないので留意しよう。とはいえ、衛生管理者試験を受ける受験生の多くは、この健康診断を受けたことがあるだろうから、自らの体験としてこのことは知っていることが多いだろう。

2021年10月29日執筆 2023年10月08日一部改訂