問7 事業場の建築物、施設等に関する措置について、労働安全衛生規則の衛生基準に違反していないものは次のうちどれか。
(1)日常行う清掃のほか、1年に1回、定期に、統一的に大掃除を行っている。
(2)男性25人、女性25人の労働者を常時使用している事業場で、労働者が臥床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けていない。
(3)坑内等特殊な作業場以外の作業場において、男性用小便所の箇所数は、同時に就業する男性労働者50人以内ごとに1個以上としている。
(4)事業場に附属する食堂の床面積を、食事の際の1人について、0.8m2としている。
(5)労働衛生上の有害業務を有しない事業場において、窓その他の開口部の直接外気に向って開放することができる部分の面積が、常時床面積の15分の1である屋内作業場に、換気設備を設けていない。
このページは、試験協会が2021年10月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。
柳川に著作権があることにご留意ください。
2021年10月公表問題 | 問07 | 難易度 | 安衛則の衛生基準に関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。 |
---|---|---|---|
安衛則の衛生基準 | 3 |
問7 事業場の建築物、施設等に関する措置について、労働安全衛生規則の衛生基準に違反していないものは次のうちどれか。
(1)日常行う清掃のほか、1年に1回、定期に、統一的に大掃除を行っている。
(2)男性25人、女性25人の労働者を常時使用している事業場で、労働者が臥床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けていない。
(3)坑内等特殊な作業場以外の作業場において、男性用小便所の箇所数は、同時に就業する男性労働者50人以内ごとに1個以上としている。
(4)事業場に附属する食堂の床面積を、食事の際の1人について、0.8m2としている。
(5)労働衛生上の有害業務を有しない事業場において、窓その他の開口部の直接外気に向って開放することができる部分の面積が、常時床面積の15分の1である屋内作業場に、換気設備を設けていない。
正答(5)
【解説】
安衛則の衛生基準は必ず出題される。いささか細かなことを問われるが、過去問を押さえておけば正答可能である。完全な知識問題なので、覚えておくしかない。
掃除の頻度、休憩室の要件、トイレ(なぜか便房の数が問われることが多い)。自分の事業場が違反状態でないかどうかを考えながら覚えると覚えやすいかもしれない。
(1)安衛則第619条に違反している。大掃除は6月以内ごとに1回行わなければならない。あなたの事業場では、半年に一回、大掃除を行っていますか?
やっていないと違反になる。自分の事業場の状況と照らし合わせると印象に残りやすい。試験までに覚えておこう。
【労働安全衛生規則】
(清掃等の実施)
第619条 事業者は、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
一 日常行う清掃のほか、大掃除を、6月以内ごとに1回、定期に、統一的に行うこと。
二及び三 (略)
(2)安衛則第618条に違反している。男女合わせて50人、女性25人なので安衛則第618条に違反している。覚えておくのは、「常時50人以上又は常時女性30人以上」「労働者がが床することのできる」「男性用と女性用に区別して」の3箇所。なお、「が床」とは横になれるということ。会社ができた当初は守られていても、誰も条文を覚えていないと、物置に改造されて違反状態になっていることがよくある。
【労働安全衛生規則】
(休養室等)
第618条 事業者は、常時50人以上又は常時女性30人以上の労働者を使用するときは、労働者がが床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない。
(3)安衛則第628条第1項(第三号)に違反している。坑内等特殊な作業場以外の作業場において、男性用小便所の箇所数は、原則として同時に就業する男性労働者30人以内ごとに1個以上としなければならない。50人以内ごとに1個では足りない。
※ なお、下記の安衛則628条は、現在の形であるが、本問出題のときから大きく修正されている。しかし、本問の正誤には影響を与えない。
【労働安全衛生規則】
(便所)
第628条 事業者は、次に定めるところにより便所を設けなければならない。ただし、坑内等特殊な作業場でこれによることができないやむを得ない事由がある場合で、適当な数の便所又は便器を備えたときは、この限りでない。
一及び二 (略)
三 男性用小便所の箇所数は、次の表の上欄に掲げる同時に就業する男性労働者の数に応じて、同表の下欄に掲げる数以上とすること。
同時に就業する男性労働者の数 | 箇所数 |
---|---|
三十人以内 | 一 |
三十人超 | 一に、同時に就業する男性労働者の数が三十人を超える三十人又はその端数を増すごとに一を加えた数 |
四から六 (略)
2 (略)
(独立個室型の便所の特例)
第628条の2 前条第一項第一号から第四号までの規定にかかわらず、同時に就業する労働者の数が常時十人以内である場合は、男性用と女性用に区別しない四方を壁等で囲まれた一個の便房により構成される便所(次項において「独立個室型の便所」という。)を設けることで足りるものとする。
2 前条第一項の規定にかかわらず、独立個室型の便所を設ける場合(前項の規定により独立個室型の便所を設ける場合を除く。)は、次に定めるところにより便所を設けなければならない。
一 独立個室型の便所を除き、男性用と女性用に区別すること。
二 (略)
三 男性用小便所の箇所数は、次の表の上欄に掲げる同時に就業する男性労働者の数に応じて、同表の下欄に掲げる数以上とすること。
同時に就業する男性労働者の数 | 箇所数 |
---|---|
設ける独立個室型の便所の数に十を乗じて得た数以下 | 一 |
設ける独立個室型の便所の数に十を乗じて得た数を超える数 | 一に、設ける独立個室型の便所の数に十を乗じて得た数を同時に就業する男性労働者の数が三十人を超える三十人又はその端数を増すごとに一を加えた数 |
四から六 (略)
(4)安衛則第630条第二号に違反している。床面積は通路も入れてのことである。0.8m2では、やや狭すぎるだろう。
【労働安全衛生規則】
(食堂及び炊事場)
第630条 事業者は、事業場に附属する食堂又は炊事場については、次に定めるところによらなければならない。
一 (略)
二 食堂の床面積は、食事の際の1人について、1m2以上とすること。
三から十五 (略)
(5)違反していない。安衛則第601条第1項に適合している。なお、開放することができる窓等の面積が、床面積の20分の1未満では換気装置を設けなければならないことは覚えておくこと。
【労働安全衛生規則】
(換気)
第601条 事業者は、労働者を常時就業させる屋内作業場においては、窓その他の開口部の直接外気に向つて開放することができる部分の面積が、常時床面積の20分の1以上になるようにしなければならない。ただし、換気が十分行なわれる性能を有する設備を設けたときは、この限りでない。
2 (略)