第2種衛生管理者試験 2021年4月公表 問27

感覚及び感覚器




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合格

 このページは、試験協会が2021年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2021年04月公表問題 問27 難易度 感覚及び感覚器に関するやや高度な知識問題である。いくつかの肢は過去問に類例が見られない。
感覚及び感覚器

問27 感覚又は感覚器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)眼軸が短過ぎるために、平行光線が網膜の後方で像を結ぶものを遠視という。

(2)嗅覚と味覚は化学感覚ともいわれ、物質の化学的性質を認知する感覚である。

(3)温度感覚は、皮膚のほか口くうなどの粘膜にも存在し、一般に冷覚の方が温覚よりも鋭敏である。

(4)深部感覚は、内臓の動きや炎症などを感じて、内臓痛を認識する感覚である。

(5)中耳にある鼓室は、耳管によって咽頭に通じており、その内圧は外気圧と等しく保たれている。

正答(4)

【解説】

(1)正しい。眼軸が短過ぎるために、平行光線が網膜の後方で像を結ぶ状態は遠視である。

(2)正しい。視覚や聴覚などが物理的信号を受容するのに対し、嗅覚と味覚は物質の化学的性質を認知する(化学信号を受容する)ため化学感覚ともいわれる。

なお、信号を媒介する物質を「化学感覚シグナル」(Chemosensory signal)と呼ぶ

(3)正しい。温度感覚の受容器は、皮膚のほか口くうなどの粘膜にも存在する。

冷覚の受容器はクラウゼ小体と呼ばれ、皮膚1cm当たり15個程度存在している。順応速度(感じなくなるまでの時間)は非常に遅く温覚に比べても遅い。

温覚の受容器はルフィーニ正体と呼ばれ、皮膚1cm当たり2個程度存在している。順応速度は圧覚、触覚(マイスナー小体)に比較すると遅いが、冷覚に比べると早い。

従って、一般に冷覚の方が温覚よりも鋭敏である。

(4)誤り。深部感覚は、固有感覚または自己受容感覚とも呼ばれ、関節位置覚、振動覚、運動覚、抵抗覚、重量覚などにより、身体部位の位置の情報を得る感覚である。

なお、感覚には、体性感覚、内臓感覚及び特殊感覚の3種がある。体性感覚とは触覚、温度感覚、痛覚などの皮膚感覚である。これに対し、深部感覚とは文字通り身体内部の感覚である。

(5)正しい。中耳にある鼓室は、耳管によって咽頭に通じており、その内圧は外気圧と等しく保たれている。

2021年04月25日執筆