問30 自律神経系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)自律神経系は、内臓、血管などの不随意筋に分布している。
(2)自律神経である交感神経と副交感神経は、同一器官に分布していても、その作用はほぼ正反対である。
(3)自律神経系の中枢は、脳幹及び脊髄にある。
(4)消化管に対しては、交感神経の亢進は運動を促進させ、副交感神経の亢進は運動を抑制させる。
(5)心臓に対しては、交感神経の亢進は心拍数を増加させ、副交感神経の亢進は心拍数を減少させる。
このページは、試験協会が2020年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2020年04月公表問題 | 問30 | 難易度 | 神経系に関する基本的な問いである。正答できなければならない問題である。 |
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神経・感覚器 | 3 |
問30 自律神経系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)自律神経系は、内臓、血管などの不随意筋に分布している。
(2)自律神経である交感神経と副交感神経は、同一器官に分布していても、その作用はほぼ正反対である。
(3)自律神経系の中枢は、脳幹及び脊髄にある。
(4)消化管に対しては、交感神経の亢進は運動を促進させ、副交感神経の亢進は運動を抑制させる。
(5)心臓に対しては、交感神経の亢進は心拍数を増加させ、副交感神経の亢進は心拍数を減少させる。
正答(4)
【解説】
(1)正しい。自律神経系とは、意識して動かさなくても、それ自体が自律的に機能する。自律神経系は、内臓、血管などの不随意筋の機能を抑制したり促進したりする。
(2)正しい。自律神経は交感神経と副交感神経がある。交感神経は人が興奮状態にあるときに優位になり、副交感神経はリラックスしているときに優位になる。
(3)正しい。これは解説するまでもないだろう。自律神経系の中枢は、脳幹及び脊髄にある。なお、大脳皮質は、神経細胞の細胞体が集合した灰白質で、感覚、運動、思考などの作用を支配する中枢である。
(4)誤り。交感神経と副交感神経の働きが分かりにくければ、草食動物が肉食動物に襲われた場合に交感神経が優位になると考えよう。草食動物が逃げるときは、消化管の運動を抑制しなければならない。生きるか死ぬかのときに消化管を動かして余計なエネルギーを使う余裕はないのである。動物によっては逃げるときに食べたものを吐き戻すケースもあるのだ。
(5)正しい。(4)で解説したが、肉食動物に襲われて逃げるときに交感神経が働く。肉食動物に襲われれば急いで逃げなければならないので、筋肉に酸素や糖質(グリコーゲン)を多量に送り込む必要がある。そのため心拍数を増加させる。