問20 厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」に基づく、重量物取扱い作業などにおける腰痛予防対策に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)満18歳以上の男子労働者が人力のみで取り扱う物の重量は、体重のおおむね50%以下となるようにする。
(2)腰部保護ベルトは、全員に使用させるようにする。
(3)重量物を持ち上げるときは、できるだけ身体を対象物に近づけ、両膝を伸ばしたまま上体を下方に曲げる前屈姿勢を取る
(4)腰掛け作業での作業姿勢は、椅子に深く腰を掛けて、背もたれで体幹を支え、履物の足裏全体が床に接する姿勢を基本とする。
(5)立ち作業では、身体を安定に保持するため、床面は弾力性のない硬い素材とし、クッション性のない作業靴を使用する。
このページは、試験協会が2020年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2020年04月公表問題 | 問20 | 難易度 | 腰痛予防対策指針に関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。 |
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腰痛予防対策指針 | 2 |
問20 厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」に基づく、重量物取扱い作業などにおける腰痛予防対策に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)満18歳以上の男子労働者が人力のみで取り扱う物の重量は、体重のおおむね50%以下となるようにする。
(2)腰部保護ベルトは、全員に使用させるようにする。
(3)重量物を持ち上げるときは、できるだけ身体を対象物に近づけ、両膝を伸ばしたまま上体を下方に曲げる前屈姿勢を取る
(4)腰掛け作業での作業姿勢は、椅子に深く腰を掛けて、背もたれで体幹を支え、履物の足裏全体が床に接する姿勢を基本とする。
(5)立ち作業では、身体を安定に保持するため、床面は弾力性のない硬い素材とし、クッション性のない作業靴を使用する。
正答(4)
【解説】
本問は、問題文から明らかなように、職場における腰痛予防対策指針(以下、本問の解説中において「指針」という。)からの出題である。
指針の、基本的なところは押さえておくようにしたい。なお、指針は、2013年(平成25年)6月に改訂されているが、検索すると古い指針がヒットすることがあるので留意すること。
(1)誤り。指針の「作業態様別の対策」の「1 重量物取扱い作業」の項では、「満18歳以上の男子労働者が人力のみにより取り扱う物の重量は、体重のおおむね 40%以下となるように努めることと」されている。なお、「満18歳以上の女子労働者では、さらに男性が取り扱うことのできる重量の60%位までとすること」とされていることも覚えておこう。
(2)誤り。指針は、「腰部保護ベルトは、個人により効果が異なるため、一律に使用するのではなく、個人毎に効果を確認してから使用の適否を判断すること」としている。腰痛予防ベルトは、取り扱いを誤ると、かえって腰痛のリスクを増すことがあることに留意するべきである。
(3)誤り。指針は「床面等から荷物を持ち上げる場合は、片足を少し前に出し、膝を曲げてしゃがむように抱え(図a:略)、この姿勢から膝を伸ばすようにすることによって、腰ではなく脚・膝の力で持ち上げる。両膝を伸ばしたまま上体を下方に曲げる前屈姿勢(図b:略)を取らないようにする」としている。
(4)正しい。指針は、腰掛け作業での作業姿勢について「椅子に深く腰を掛けて、背もたれで体幹を支え、履物の足裏全体が床に接する姿勢を基本とすること」としている。
(5)誤り。指針は、立ち作業について「床面が硬い場合は、立っているだけでも腰部への衝撃が大きいので、クッション性のある作業靴やマットを利用して、衝撃を緩和すること」としている。