第2種衛生管理者試験 2019年10月公表 問27

視覚の仕組み




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合格

 このページは、試験協会が2019年10月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年10月公表問題 問27 難易度 視覚の仕組みに関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。
視覚の仕組み

問27 視覚に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)眼をカメラに例えると、虹彩はしぼりの働きをする。

(2)眼は、硝子体の厚さを変えることにより焦点距離を調節して網膜の上に像を結ぶようにしている。

(3)角膜が歪んでいたり、表面に凹凸があるために、眼軸などに異常がなくても、物体の像が網膜上に正しく結ばないものを乱視という。

(4)網膜には、明るい所で働き色を感じる錐状体と、暗い所で働き弱い光を感じる杆状体の2種類の視細胞がある。

(5)明るいところから急に暗いところに入ると、初めは見えにくいが暗順応によって徐々に見えるようになる。

正答(2)

【解説】

(1)正しい。眼をカメラに例えると、水晶体はレンズ、網膜はフィルム、虹彩は絞りに相当する。

(2)誤り。ヒトの眼は、水晶体の厚さを変えることにより焦点距離を調節して網膜の上に像を結ぶようにしている。

(3)正しい。乱視には正乱視と不正乱視があるが、一般に乱視といえば、正乱視のことをいう。正乱視とは、角膜または水晶体(レンズ)が、正確な球面ではないため、見ようとしている外界の物体から出た光が、眼の角膜で正確に結像しないために起きる現象である。

(4)正しい。網膜はカメラのフィルムの役割を果たす器官である。網膜の視細胞には、暗いところで働く杆状体(捍体)細胞と、明るいところで働く錐状体細胞の2種類がある。なお、杆状体細胞は、約1億2000万個あり、網膜全体に分布しているが、黄斑部にはあまり存在しない。一方、錐状体細胞は黄斑部の周囲に密集しており、周辺部にいくにつれてまばらとなる。

(5)正しい。明るいところから暗いところに移動したとき、ヒトの眼は、虹彩を収縮して瞳孔を広げるとともに、作用する視細胞を錐体から桿体へ切り替えることにより「暗順応」が起きる。

瞳孔は速やかに広がるが、視細胞を錐体から桿体へ切り替えるには桿体細胞内のロドプシンを合成する必要があり、これには30分~1時間程度が必要である。このため、暗順応は徐々に見えるようになるのである。

2020年08月22日執筆