第2種衛生管理者試験 2019年4月公表 問28

ホルモン及びその内分泌器官と役割




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合格

 このページは、試験協会が2019年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年04月公表問題 問28 難易度 一見すると高度な内容のように見えるが、実は常識問題である。確実に正答できなければならない。
内分泌系

問28 ホルモン、その内分泌器官及びそのはたらきの組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。

ホルモン 内分泌器官 はたらき
(1) セクレチン   十二指腸   消化液分泌促進
(2) アルドステロン   副腎皮質   血中の塩類バランスの調節
(3) パラソルモン   副甲状腺   血中のカルシウムバランスの調節
(4) インスリン   膵臓   血糖量の増加
(5) ガストリン     胃酸分泌刺激

正答(4)

【解説】

ホルモンは内分泌器官で合成され、血管内に直接分泌されて体内に送られる。内分泌器官としては、視床下部、下垂体(脳下垂体)、松果体、副腎(皮質、髄質)、甲状腺、副甲状腺、膵臓、生殖腺(卵巣、胎盤、精巣)、消化管が挙げられる。ホルモンの種類はきわめて多いが、主要なものは押さえておいた方が良い。

(1)正しい。セクレチンは小腸で合成される。十二指腸内が胃酸によって酸性になると、肝臓、膵臓、十二指腸からの重炭酸塩(塩基)の分泌を促進し、十二指腸内の胃酸を中和する役割を持つ。

(2)正しい。アルドステロンは副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンの一種で、腎臓の尿細管に作用してナトリウムの排出の抑制と、カリウムの排泄を促進し、血中の塩類バランスの調節をする役割を持つ。

(3)正しい。パラソルモンは副甲状腺ホルモンで、様々な働きをするが、骨の再吸収により血清カルシウムを上昇させる働きなどがある。

(4)誤り。インスリンが膵臓のランゲルハンス島で産出されることは正しい。しかし、その役割は、臓器が血糖をエネルギーやタンパク質の合成などに利用して血糖濃度の増加を押さえる役割を果たす。ドラマや映画などで糖尿病の患者がインスリンの注射を打っているシーンを見かけることがあるが、これは血糖値を下げるためである。

(5)正しい。ガストリンは、消化器の体液性調節物質である。胃の幽門部粘膜に対する神経刺激で分泌される。直接胃底部に働いて、胃酸分泌刺激(分泌促進)の役割を果たす。

2020年08月23日執筆