問19 食中毒に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)毒素型食中毒は、食物に付着した細菌により産生された毒素によって起こる食中毒で、代表的なものとしてサルモネラ菌によるものがある。
(2)感染型食中毒は、食物に付着した細菌そのものの感染によって起こる食中毒で、代表的なものとして黄色ブドウ球菌によるものがある。
(3)O-157は、腸管出血性大腸菌の一種で、加熱不足の食肉などから摂取され、潜伏期間は3~5日である。
(4)ボツリヌス菌は、缶詰や真空パックなど酸素のない密封食品中でも増殖するが、熱には弱く、80℃程度で殺菌することができる。
(5)赤身魚などに含まれるヒスチジンが細菌により分解されて生成されるヒスタミンは、加熱調理によって分解する。
このページは、試験協会が2019年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2019年04月公表問題 | 問19 | 難易度 | 食中毒の問題も頻出事項と言ってよい。ただ、やや難易度の高い問題である。 |
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食中毒 | 5 |
問19 食中毒に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)毒素型食中毒は、食物に付着した細菌により産生された毒素によって起こる食中毒で、代表的なものとしてサルモネラ菌によるものがある。
(2)感染型食中毒は、食物に付着した細菌そのものの感染によって起こる食中毒で、代表的なものとして黄色ブドウ球菌によるものがある。
(3)O-157は、腸管出血性大腸菌の一種で、加熱不足の食肉などから摂取され、潜伏期間は3~5日である。
(4)ボツリヌス菌は、缶詰や真空パックなど酸素のない密封食品中でも増殖するが、熱には弱く、80℃程度で殺菌することができる。
(5)赤身魚などに含まれるヒスチジンが細菌により分解されて生成されるヒスタミンは、加熱調理によって分解する。
正答(3)
【解説】
(1)誤り。毒素型食中毒が、食物に付着した細菌により産生された毒素によって起こる食中毒であることは正しいが、代表的なものは黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌などである。サルモネラ菌によるものは感染型に分類される。
(2)誤り。感染型食中毒が、食物に付着した細菌そのものの感染によって起こる食中毒であることは正しいが、代表的なものはサルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクターなどである。黄色ブドウ球菌によるものは毒素型に分類される。
(3)正しい。O-157は、腸管出血性大腸菌の一種で、加熱不足の食肉などから摂取され、潜伏期間は3~5日である。
(4)誤り。ボツリヌス菌が、缶詰や真空パックなど酸素のない密封食品中でも増殖することは正しい。しかし、ボツリヌス菌の芽胞は熱に強く、120℃だと4分間以上(100℃だと6時間以上)の加熱をしないと完全には死滅しない。
なお、直接の原因であるボツリヌス毒素は比較的低い熱でも失活し、また、ボツリヌス菌そのものは体内に入っても大腸菌によって死滅する。このため、食べる前に80℃で30分程度、100℃なら10分程度、加熱すれば食中毒のリスクは低くなる。。
(5)誤り。赤身魚やその加工品などに含まれるヒスチジンが、ヒスタミン産生菌によって分解されてヒスタミンに変換されることは正しい。しかし、ヒスタミンは加熱調理によっても分解しない。