第2種衛生管理者試験 2019年4月公表 問13

THP指針(改正前の指針)




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合格

 このページは、試験協会が2019年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年04月公表問題 問13 難易度 THP指針については、本問公表後に改正されている。現時点では意味のない設問である。
THP指針(旧指針)

問13 厚生労働省の「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」に基づく健康保持増進対策に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)健康保持増進計画で定める事項には、事業者が健康保持増進を積極的に推進する旨の表明に関することが含まれる。

(2)健康保持増進計画を継続的に推進するため、衛生管理者、衛生推進者等から総括的推進担当者を選任する。

(3)産業医は、健康測定を実施し、その結果に基づいて個人ごとの指導票を作成する。

(4)健康測定の結果に基づき、個々の労働者に対して運動実践の指導を行う産業保健指導担当者を配置する。

(5)健康保持増進措置を実施するためのスタッフの確保が事業場内で困難な場合は、労働者の健康の保持増進のための業務を行う外部のサービス機関などに委託して実施する。

正答(4)現時点では意味がない

【解説】

2020年の3月に「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」(THP指針)改正(リンクは改正の概要)され、今となってはほとんど意味のない問題となってしまった。一応、現在の指針に合わせて解説をしておいた。

(1)意味のない設問(当時としては正しい)。現行指針では、事業者が健康保持増進を積極的に推進する旨の表明に関することは、健康保持増進計画で定める事項に含まれるとはされていない。なお、現行指針においても、「事業者は、健康保持増進方針を表明するもの」とすることとされている。

(2)意味のない設問(当時としては正しい)。現行指針には、総括的推進担当者という概念がない。なお、現行指針では「事業場における健康保持増進対策の推進に当たっては、事業場の実情に応じて、事業者が、労働衛生等の知識を有している産業医等、衛生管理者等、事業場内の保健師等の事業場内産業保健スタッフ及び人事労務管理スタッフ等を活用し、各担当における役割を定めたうえで、事業場内における体制を構築する」とされている。

(3)意味のない設問(当時としては正しい)。現行指針には、「個人ごとの指導票」という概念がない。ただし、「健康測定は、産業医等が中心となって行い、その結果に基づき各労働者の健康状態に応じた必要な指導を決定する」とされており、実質的には現行指針でも正しいものと考えられる。

(4)意味のない設問(当時としては誤り)。現行指針には産業保健指導担当者という概念がない。なお、旧指針においては、運動実践の指導を行うのは運動実践担当者とされており、産業保健指導担当者は保健指導を行うものとされていた。

(5)意味のない設問(当時としては正しい)。現行指針には、「サービス機関」という概念はない。ただし、現行指針においても「事業場が取り組む内容や求めるサービスに応じて、健康保持増進に関し専門的な知識を有する各種の事業場外資源を活用する」とされている。

2020年08月22日執筆