第2種衛生管理者試験 2019年4月公表 問03

産業医の職務




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合格

 このページは、試験協会が2019年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年04月公表問題 問03 難易度 一見、条文問題のように見えるが、実際は常識問題である。確実に正答しなければならない問題。
産業医の実施事項

問3 産業医の職務として、法令に定められていない事項は次のうちどれか。

ただし、次のそれぞれの事項のうち医学に関する専門的知識を必要とするものに限るものとする。

(1)衛生教育に関すること。

(2)作業環境の維持管理に関すること。

(3)作業の管理に関すること。

(4)労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。

(5)安全衛生に関する方針の表明に関すること。

正答(5)

【解説】

産業医に行わせなければならない職務は、安衛法第13条第1項の規定を受けて安衛則第14条第1項に定めてある。そのため、本問は、条文問題のように思えるかもしれないがそうではない。

産業医は事業者との契約によって、事業場における産業医学に関すること=技術的な事項を実施するのである。(5)の安全衛生に関する方針は、事業の主体(事業者)が定めなければならない。こんなことを産業医がするわけがなかろう。そもそも安全衛生の方針に「医学に関する専門的知識を必要とするもの」が入るわけもない。

これは、試験協会のサービス問題である。

【労働安全衛生法】

(産業医等)

第13条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、医師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項(以下「労働者の健康管理等」という。)を行わせなければならない。

2から4 (略)

【労働安全衛生規則】

(産業医及び産業歯科医の職務等)

第14条 法第十三条第一項の厚生労働省令で定める事項は、次の事項で医学に関する専門的知識を必要とするものとする。

 健康診断の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。

 法第66条の8第1項に規定する面接指導及び法第66条の9に規定する必要な措置の実施並びにこれらの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。

 法第66条の10第1項に規定する心理的な負担の程度を把握するための検査の実施並びに同条第三項に規定する面接指導の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。

 作業環境の維持管理に関すること。

 作業の管理に関すること。

 前各号に掲げるもののほか、労働者の健康管理に関すること。

 健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。

 衛生教育に関すること

 労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。

2から6 (略)

(1)安衛則第14条第1項第八号に定めてある。

(2)安衛則第14条第1項第四号に定めてある。

(3)安衛則第14条第1項第五号に定めてある。

(4)安衛則第14条第1項第九号に定めてある。

(5)定められていない。

2020年08月22日執筆