第2種衛生管理者試験 2018年10月公表 問23

神経系の働きと仕組み




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 このページは、試験協会が2018年10月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2018年10月公表問題 問23 難易度 神経系に関する基本的な問題である。確実に正答できるようにしておこう。
神経・感覚器

問23 神経系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)神経系は、中枢神経系と末梢神経系に大別され、中枢神経系は脳と脊髄から成る。

(2)大脳の髄質は、神経細胞の細胞体が集合した灰白質で、感覚、運動、思考などの作用を支配する中枢として機能する。

(3)神経系を構成する基本的な単位である神経細胞は、通常、1個の細胞体、1本の軸索及び複数の樹状突起から成り、ニューロンともいわれる。

(4)交感神経系は、身体の機能をより活動的に調節する働きがあり、心拍数を増加したり、消化管の運動を抑制する。

(5)体性神経には、感覚器官からの情報を中枢に伝える感覚神経と、中枢からの命令を運動器官に伝える運動神経がある。

正答(2)

【解説】

(1)正しい。神経系とは生体内の情報処理と情報伝達のための機関である。ヒトの神経系は中枢神経系と末梢神経系に大別され、中枢神経系とは脳と脊髄である。

(2)誤り。大脳の髄質とは大脳の深部にある有髄線維の集まりである。投射線維、連合線維、交連繊維から成り立っているが、中枢神経内で情報を連絡する役割を持つ。

本肢の「(大脳内の)神経細胞の細胞体が集合した灰白質で、感覚、運動、思考などの作用を支配する中枢として機能する」のは大脳皮質である。

(3)正しい。神経系を構成する基本的な単位である神経細胞は、通常、1個の細胞体(soma)から、多数の樹状突起と1本の軸索が生えているような形状をしており、ニューロン(neuron)と呼ばれる。

樹状突起から入力された電気信号は、軸索内を通って軸索末端に伝えられ、シナプスを通して他のニューロンの樹状突起などに伝えられる。

(4)正しい。自律神経は交感神経系と副交感神経に分けられる。交感神経は外敵に襲われた場合などに、身体の機能をより活動的に調節する働きがあり、副交感神経は逆に身体をリラックスさせる働きがある。

草食動物が肉食動物に襲われた場合、急いで逃げる必要があるので、心拍数は増加し、消化管の運動は抑制される。

(5)正しい。末梢神経系には自律神経と体性神経があり、体性神経は、大脳皮質と直結しており「意識」とかかわっている。感覚器官からの情報を中枢に伝える感覚神経と、中枢からの命令を運動器官に伝える運動神経がある。

2020年08月29日執筆